4月。まだパリパリの制服をまといこれから通うことになっている高校
これから、この学校でどんなことがあるだろう
どんな出会いがあるだろう
大体の新入学生はそう思うだろう。かく言う俺もそんな一人だった訳だが
まさか、
あんな強烈な人間がクラスメート……いや同じ学校なんて
校門を通ったばかりで浮かれる俺は知らなかった
『最強最悪あずまさん』
その人は、入学式の時点で目立っていた
同じクラスで並ぶ列の中で一際異彩を放つ女子
独創的な髪型もまぁ要因の一つではあろうが
列の先頭に立つ彼女はブレザーの上に
『着物』
を、羽織っていた
その女子の後ろに座る俺は知らなかった
スカートもガンガン短くして、ワイシャツも第2ボタンまで開けて
さらに化粧を施した顔の目尻には小さな桜のイラストが描かれていることを
そしてそんな彼女が先頭に座る故に語る校長の顔がひきつっていたことを
「あきまへん!!おっぱいとくびれを持って産まれはった以上ハルも太股とちちを晒さへんと」
「あほな事言うてんなや……」
「あっちは至って真面目どす!!そら、おっぱいには色や乳輪、乳首のサイズから固さまでこだわりはありんすが、別にそこまで出せとは言うてへんのですよ!!」
「いっぺん死にぃや」
ごめん、クラス間違えたことにしたいんだが
新しいクラスに入るなり聞こえた訛ってる下ネタ会話に全力で引く。クラスメートも引いたり他人のふりをしたりする奴等ばっかだった
騒いでるのは普通に制服を着た女子と……あの着物女子で。後ろ以外から初めて彼女を見た俺は不覚にもドキリとした。そのあまりの露出っぷりに
パンツとか色々見えそうです
そんな俺はその直後さらにドキリとすることにる
「おまえら席につけー」
ガラッと扉を開けて入ってきた多分担任の若い男子教諭
着物女子は早速担任に爆弾を投下した
「ちょっと先生!!聞いておくれやす!!ハルがおっぱい出してくれへんのやけど!!こんなんやと今時のJKは発育良いなぁヤりてぇとか思えへんでっしゃろ!?」
本気でドキリとした
お前なに言ってんだよ。多分これはクラスメート全員の心の声だと思う
見事に固まった担任は返答を待つ着物女子のせいでクラス全員の注目を浴びて非常に哀れだ
けれどそんな着物女子に突っ込んだのは『ハル』さんだった
と言うか突っ込んだと言うか
「うきゃあああ!!ハル何しはる、か、堪忍!!それ以上投げへんとい、きゃああ!!」
投げた。
鞄から始まり筆箱、あまつさえ
カッターも、投げたんだが
「すみません先生、それ存在がちょっと18禁なんやけどさっさと慣れてほかしたってください」
真面目な風貌なのに、寒気がするくらい恐い睨みを着物女子にいれると
『ハル』さんは椅子に座った
「あ……あ、あはは、ダメだぞ女子がそんなこと言った「反応したら喜ぶんやから、ほかしてください」」
そして我に返った担任にも鋭く突っ込む『ハル』さん
多分このときから、うちのクラスは彼女の支配下になったんだと思う
そして
ぶーたれた着物女子は、俺の前に座り
速攻振り向いてきた※目の前に担任いるんだけど
「あっちは吾妻連堂。あんさんの名前はなんどすか?」
「……伊勢次郎だけど、前向けよ。先生見てるから」
「気にせんときや。ねねね、伊勢はんはどんなおっぱいがええどす?あっちはねぇ、やっぱ吸い付くためにちょっと大きめな乳首に、白い肌が映える濃いめの色の乳輪がええどすなぁ」
へ る ぷ な う!!
何で俺LHRの時間にそんな性癖を女子に語らないといけないんだ!!
しかも間近で見ると吾妻さんは露出も凄いが普通に凄い可愛かった
でも中身はエグい
たっぷり考える。どうすれば聞き耳が多発して、先生さえも関わりたく無いから放置する彼女を撃退出来るか
「………吾妻さんのおっぱい良いよね」
そして俺は地雷と言うかもう核爆弾に突っ込んだ
「ほんまどす?なら揉み心地もタイプなんか確認したってくださいな」
ふにっ
あたまを、引っ張られて
斜めを向く彼女の、ボタンが外れているせいで上乳が露出してるおっぱいに
俺の顔面は突っ込まされた
「ほい、手もどうぞ」
そして片手で乳を支える形で握らされる
正直、その瞬間は色々なものがぶっ飛んだ衝撃で
幸せもなにも感じず、ただただ戸惑った
「……吾妻、公共の場でそういうのはやめなさい。あとスカートも短いしワイシャツもボタン開けすぎだし、着物も脱ぎなさい」
「先生はあっちに風邪を引けと言い張るんどす!?こんな寒い中上着なんか脱いだら体が弱いあっちは風邪をこじらせて肺炎にすらなりよりますよ!?」
「じゃあスカートを長くしてワイシャツのボタンを止めなさい」
「あきまへん!!おっぱいとクビレと、こんな美味しそうな生足をもって産まれはった以上堂々と晒すんが女の義務どす!!」
「いや、校則でな……」
「校則にのってはったんは『正しく制服を着用す』どすから、別にこれも間違っとらんですよ?それ言い張ったら先生はクールビズでもあらへんのにネクタイもしとりませんし、校長先生かてワイシャツにシワが寄ってはって教育者としては正しいと思えへんどす」
え、なにこの子
すさまじい勢いで語るから、明らかに先生はたじたじだった
さりげなくその流れで俺は自分の頭を救出するが、手は吾妻さんに握られたままでおっぱい触らされるのから逃げられない
その後も担任が1を言えば20くらいを返して
ホームルームがまともに始まらず、担任が完全に言い伏せられたまま15分が経過すると
『彼女』がついに動き出した
「レン」
たった一言で
教室をシーンと沈めた、『ハル』さん
「いい加減にしときや」
そう言うだけで今まで語っていた吾妻さんは両手を上げた
「なんやつまらんどすなぁ。こう言うんははじめの調教で上下関係はっきりさせなあきまへんのに」
「やりすぎ。先生にも体裁っちゅーもんがあるやろ」
はああああと吾妻さんが溜め息をつくと、また教室をつつむ空気が変わった
え、なにこの
張りつめた糸みたいな空気
「田中先生」
「な、なんだ」
「私これでも頭が良くてですね、入試500点満点中494点だったらしいんですよね」
「あぁ、非常に優秀な生徒だと言うのは聞いてるぞ。だからな吾妻、制服や生活態度も……」
「そんな秀才が、急に0点ばっか取り出してあまつさえ『担任がダメな人だから勉強が嫌いになりました』とか騒いだら大問題ですよねぇ。私一人でこの学年の偏差値、がくっとあげる自信ありますし」
「あ、吾妻…?」
あれ、吾妻さん関西弁じゃない
しかもなんか、めちゃめちゃ
性格が悪そうなんだが
「これからも教師として平和に暮らして行きたいなら黙ってもらえます?大丈夫、校長と理事長にも新入生代表の挨拶を任されたとき話は通してわかってもらいましたから」
結局その一言が引金になり
担任は無力化した
そしてそんな止めてくれる人がいなくなった吾妻さんは
「いややわぁ、融通が効かない人って。伊勢はんもそう思いよるっしょ?」
「い、いや……」
俺にたいしてまた語り出した。
────……
止めてくれ。またはやめてくれ
「ってか、レンなんなんそのキャラクターは」
「え?あきまへん?あっちとしては性格悪いんを見事にカバーしはるナイスなキャラやと思いよるんですが」
「いや、キモいて東京産まれ東京育ちのくせに」
「そんなつれないこと言わんといてや。あっちハルがこっちに来る言うから気合いいれて訛り勉強しはって、下僕とペットと奴隷も処分しはりましたんに」
会話の危うさもさることながら
俺の手で吾妻さんの太股をさすさすさせるのは本気でやめてくれ
何故か吾妻さんに気に入られた俺は、LHRの委員会決めが早々と終わりチャイム待ちになると公開セクハラをさせられている
すべりの良い太股は確かに気持ちは良いが、なんか吾妻さんのすべては童貞には非常に荷が重い……
「………なんなんだ、これは…」
「てか、そろそろ伊勢君苛めるんやめてやりぃや」
「え?苛めちゃいますよぉ。伊勢はんとて美味しい思いしちょりますに………ねぇ」
俺の呟きにハルさんが反応したから、ようやくこの拷問から解放されると思ったのに
艶やかに笑った吾妻さんがこちらを向いて空いてる手を俺の肩にかけ頭を寄せて来ると
「ジローはん、もっと美味しいことしはります?」
耳元で熱っぽく囁きながら
太ももを触らされていた手が吾妻さんの手に誘導されて
ちょん、とスカートの中の
肌では無い布越しの柔らかなものに触らされた
「う、わああああああ!!」
瞬間、ガシャンっ!!と椅子をひっくり返しながら俺は魔の手から握れた
い、いま、いま、あ、あそこ触った!?
「あっはっはっは、ほんに可愛らしいどすなぁ。伊勢はんの童貞食べたいわぁ」
「やめんか痴女。つーかあんたほんまにやり過ぎやて……」
「えー、やって伊勢はん可愛らしいやもん。伊勢はん、あっちのセフレの一人になりませんか?」
こくりと首をかしげる、下ネタ半端無い美女と
溜め息をつくその友人
俺のすさまじい高校生活はぱふぱふ、パンツタッチから始まった
====
続かないよヽ(´ヮ`人´ヮ`)ノ
帰