「朱雀ー、肉食べたい」

「……野菜を食え。にきびまみれになんぞ」

「いやいや、自分肉食主義ですから。だからお肉ーにくーにーくー」


腕に絡み付くな見上げるな

内心でそう思いながらも、カルビを焼いてやると途端に目を輝かせる楓にため息が溢れる

テーブルの向かいだと、肉を置いて貰えないからとか言いながら俺の隣に移動してきた楓に軽く殺意が沸く

焼いてやるのは良しとする。だが自分で取れよ


「朱雀、次タン塩!!」


てめぇを食うぞ糞が
色気も何もあったもんじゃない楓に発情しながら、それでも肉を焼いてやる俺は酷く滑稽だ

「おいしーぃ!!」

それでも
本当、嬉しそうに嬉しそうに楓が笑うから


結局俺はこのお子さまの言いなりになるしかないんだ





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