「猫だよな」

とりあえずうちに持って帰ると、楓は起きたけど酔っぱらってるのかまるで猫みたいにべったりひっつり甘えまくってきた

たかが酔っ払いの一挙一動に左右されることに情けなさを感じながらも、とりあえず据え膳はきっちりと頂く


「こっちむけ」


素直に首を傾げながら見上げた楓にキスをして
酒の味が僅かに感じられる口の中に舌を入れる
そして絡みたがる舌を無視して歯列をなぞれば楓の手が俺の首に回されムキになったのか積極的に求めてくる


それなのに、軽く頭を撫でてやるだけで


嬉しそうに目を細めてそのまま俺の動きに従順になる

はぅ、と熱が籠った吐息を漏らす楓に煽られながら唇を離して
水を少し含んでから口移しで飲ませる


「起きろ楓」


酔っ払いを抱く趣味は無い。抱きたいがそれだけで良いわけでは無い

感情や思いも交わらせたい


しばらく口移しで水を飲ませると
ぼんやりとろけていた楓の目が焦点が合いだして急速に顔が真っ赤になる

「ヤるぞ」

「…………うん」

服をきゅっと掴み恥ずかしがる楓の頭をぽんぽんと撫でながら
小さくて狭いベッドへ向かった


────……


「………はぁ、はぁ」

「お疲れ」

今日も全力を使い果たしたのか、汗を吸ってじめじめしたシーツの上で楓はぐったりと力尽きる

体格差もあるから、前戯を楓が泣くほど毎回してるせいで毎回終わると楓は満身創痍で意識も途切れかけだ

今回もいつ眠りに落ちるか分からないほどぼんやりしながらも

楓は俺が下を履くのをぼんやりと眺めていた


「すざくー」

「ん」

「すざくの声、凄く安心する。一番一番好きだよー」

「……ばーか」


ベッドで抱き合って
とんとんと背中を叩けばすぐに寝た、無垢な恋人


こいつは気づいて無いんだろうなぁ
同窓会には、楓の好きだった男がいたから
早く帰りたくて気づいてて楓が酒を飲むのを放置したなんて

両思いになってからやたら嫉妬深くて困る


はぁ、と溜め息をついてから俺は都合が悪いことから逃げるように目をつぶった





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