あれからずっと俺は楓の隣にいる
けれど大学三年になっても楓も、俺たちの関係にも変化は無い
「朱雀ぅううう、レポート終わらないよぉぉ」
「……昨日ゲームしてるせいだろ」
「だってセーブポイントが無かったんだよぉぉぉ」
「知るか」
「とか言いながら手伝ってくれる朱雀のツンデレ萌え!!」
週に三日は一人暮らしの俺のところに転がり込み
レポートに付き合わせたり、ゲームやり込んだり、酒を浴びるほど飲んだり
泊まることも多々ある。
けれど楓はどんだけ俺を信頼してるのか甘えきってるのか
はたまた男としては度外視なのか知らねぇが
「もうだめだねもい……」
「……コロス」
朱雀大好きだよー
そう力無く言った楓はいつもみたいに俺のベッドで寝た
いつもこんな感じだ
他の男にはこんな無防備なことをさせないように守ってはいるものの、理性がぶっとびそうになったことはもう数えきれない
我ながらよく常時据え膳をこらえていると思う
変わらないと言ったが、楓は高校の時と違い綺麗になった
。綺麗なのに中身は相変わらずで前よりも人気があるから蹴散らすのがなかなか大変だ
それでも、楓は楓の意思で俺にべったり甘えるから俺も楓も未だに恋人を作ったことがない
「ったく」
まだ肌寒い時期なのに半袖の楓が風邪をひかないように毛布をかけてやり
頭を撫でてやってからテレビを見る
レポートの方は手伝ってやっても代わりにはやらない。そうすれば楓と多く一緒にいられるし、第一代わりにやったら楓のためにならない
起きたとき、慌ててパニック起こすんだろうなぁと思いながらも
そんな楓のために飯を作っておくことにした
俺は楓が好きだから
楓が無条件に甘えられる存在であることを大切にしていた
楓は明るいくせに本当は嫌われてるって思うダークな一面があるから
支えなくちゃいけないから堪えて居たんだ
どんな据え膳も堪えていたんだが…………
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