ある朝目覚めると
「かぎりーごはんー」
「のどかわいたー」
ろくが分裂していた。しかも縮んでる
なのに愛らしさはそのままでなんと言うか何が起こったのか
可愛い。
「ろ、ろく?」
名前を呼べばちまいろくは「なに?」「どうしたの?」と普通に二人とも反応をしていて
とりあえず抱き締めようとしたその時
「かぎり起きるの遅いよー」
「クッキー食べちゃった」
ベッドの下から、お菓子のカスをつけたろくと
なにをどうしたのか、どこから服を用意したのかお出掛け着を着たろくがうごうごと登ってきた
かわいい。いやもう可愛い。
「お、おいで?」
だから上半身を起こして抱き締めるために両手を広げると
わーわー言いながら群れて集まるミニマムろく×4
「あーもう可愛いー。全部俺の!!」
俺はもう堪えきれず抱き締めた
「……………」
「はい、みにろく……ああ、ぷちろく待ってね」
「……………」
「ちまいろくも、ほらちびろくすねないのー」
「……………」
なんの夢を見てるんだろう、かぎり
でっれでれの笑顔で寝言を連発するかぎりがあまりにも幸せそうで
ぐぅぅー
お腹減ったけど、起こすの躊躇う
ましてや低血圧の私と違ってかぎりが寝坊するなんて珍しいし………夢の内容にはかなり疑問はあるけど
だから仕方ないから
一人で起きて
ぺたぺたとスリッパの音をたてながら台所に立ち
冷凍庫から非常食を出す。
チンくらいならろくでも出来るからねー?と常備された冷凍チャーハンは中々に美味しいけど
やっぱり一人は寂しいから
二皿に盛って、チンをして
幸せそうなかぎりを現実世界に連れ戻しに行った
『そんな結婚生活』
帰