別に期待をしていた訳じゃ無かった
バカ「おーいセルディ早く来いよー!!」も一緒にいるわけだし


けどよ、




『お前ニーが好きなんだろ?よっし兄ちゃんに任せとけ!!うまいこと二人っきりにしてやるよ』






兄貴、あんた昨日そう言ったよな?










「うお、ニー次あれのろーぜ!!ほら護衛もセルディも早く並ぼうぜ!!」


こっちを向いて手を振る兄貴はガッツリニーの隣をキープしていて
あんたに期待した俺が馬鹿だったとどこか遠い目をしながら、同じく苦笑いの彼女の元へ行く

いつもと違い活動のしやすい服も、しっかりと施された化粧もなんか……凄く良い
やっぱりうちの国の奴等なんかより断然……


「なぁニー!!お前好きなタイプってどんなだ!!」






殺す。
ちらちらとこちらを見ながらニッコリと笑いニーに絡む兄貴に本気の殺意が出た


「……お前なぁ。ガールズトークじゃねぇんだから」

そう言う彼女は困っていて
さすがに止めようと思ったのに
案外素直に彼女は答えた


「可愛い人、かな。うち下の子達が多いから守ってやらないとって思うタイプが良いなぁ」







可愛くなんか、ない……
ひっそり沈むと慌て出した兄貴が必死にフォローを


「い、いやあれだぞニー!!イケメンでも俺から見たら可愛「兄さんそろそろニーが困ってるから」


入れて無い。何を暴露する気だといらっと来ながら慌てて止める
そこで理解をしたのか兄貴はハッとしたが遅いんだよ


「じゃ、じゃああれだ!!嫌いなタイプは?」

「暴力ふるうやつ」


「なら大丈夫だ!!よかったな!!」


バンバンとニーの肩を両手で叩くバカ兄貴
はぁとため息をつきながらも、その後もばらされないかと警戒しながら







二人っきりにはしてもらえなかった












「あはは、カイのお守りご苦労様です」

「…………すみません」

いーえ、と言われながら差し出された缶コーヒーを飲む
兄貴はまだ土産屋でハッスルしてたが俺はめんどくさいから適当に決めて出てきた


ふ、と見ると彼女は結構な大荷物で



「………家まで持ちますよ」

「え?大丈夫ですよこれくらい」

「俺、これでも男ですから持たせてください」


ドキドキしながら、一瞬ニーの指に触れて固まりそうになりながらも袋を奪う

…………手、繋ぎたいな


なんとかチャンスが来ないものかと、左にいるニーのために左手を開けて右手で袋を持って右手でコーヒーを飲む

飲みにくいのなんか緊張で気にならない





「セルディも、」



不意に話しかけられて
ハッと我に帰るとニーは凄い優しい顔で笑っていた




「可愛いよね。カイで苦労して大変そうだからまもってあげたくなるよ」





それはどういう意味だろう
タイプなのか?タイプなのか?





結局ニーはそれ以上語らなかったけれど








ソッと繋いだ手は、拒まれることは無かった












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