「あまね」
「おかあさん!!」
ばああああとわかりやすそうに嬉しそうに笑い、こちらへ駆けてくる娘を抱き締めようとしゃがむも
「わあっ……っ、」
あまねは、途中で転んだ
それを見た私が駆け寄るよりも先に、あまねの側に居た和樹君があまねを起こしてくれた
「あまねはどんくさいんだから、急に走ったりするなよな」
「ありがとう和樹くん」
「ありがとう和樹君」
あまねとハモったけれど、和樹君はこれは旦那の務めですから。と胸を張って頼もしげに笑った
小さいのに可愛い
なんか、やっぱり良いなぁ
和樹君は私の親友に似ている。そしてあまねは私に似てるから二人のやりとりは見ていて凄く和む
そんなことを思っているとあまねがぎゅーっと抱きついて甘えてきた
「おかあさん、お帰りなさい。今日はお父さんは?」
「お父さんはね、紗枝ちゃんを怒らしたからまだ帰れないの。だから二人が帰ったらお父さんを慰めてあげてね?」
「わかった!!」
あまねを家に連れてかえるぎりぎりまで、和樹君はしっかりと私をもてなし
さらにあまねのことも大切にしてくれて
「和樹くん、大好き。また明日ね?」
「……またなあまね」
ドストレートなうちの娘と
照れたのか頬を赤くした少年
はじめは婚約者なんて躊躇ったけど
けれどこれでよかったのかな。そんなことを思った
『おむかえ』
帰