涼が私の部屋に備え付けられてるシャワーを浴びてる、夜遅く
彼は、来た
「しっきー、ゴムちょーだい。二枚ねー」
「また女の子を連れ込んだんですか?はい」
うちの屋敷の反抗期真っ盛りの次男坊
髪を染めて、ピアスを開けて、制服を着崩した今時の彼はコンドームを受けとるとにこりと八重歯を見せて笑った
彼とはあれだ、ちょい性格が歪んだもの同士考えてることがなんとなく分かる
「志岐が相手してくれんなら、連れ込まなくてすむんだけどなぁー?」
「残念ですが私の仕事の対象外です。まぁ問題にならない程度できっちり避妊するんなら良いんじゃ無いですか?」
私もにっこりと返すと、ぐいっと腰を抱き寄せられて今にもキスをするんじゃないかの距離で見つめ合う
あー、この発情猿が(にこにこ)
「今は業務時間外だろ?こんな時間に男と女がひとつの部屋にいるなら……なぁ?」
「申し訳無いですが、私は浮気するクズは撲滅すれば良いと思っているのでお断りします」
「浮気?あぁ、鷺田がいるから?あはは、何言ってんのしっきーにはその気全くない癖に。しっきーには鷺田は合わないよ。だから別れて俺と遊ばない?」
そういわれ、頬に手を当てられると
彼の唇に人差し指を当ててその行動を止める
私は、クズにはなりたくないしね
「遊ぶも何も、おこちゃまはもうベッドでねんねの時間ですよ。大人の遊びがしたいなら相応の礼儀をわきまえて出直してらっしゃい?まぁ私は相手がもういるからしませんけどね」
きょとり、と
まだ幼さの抜けない彼が目をぱっちりと見開き
そして私を解放しながら笑いだした
「あはははは!媚びないし誠実だし、やっぱしっきーは良いなぁ。大好きだ。ねぇ、今からがんばってももうだめ?」
「頑張る頃には私は産休か寿退職してるんじゃないですか」
「あはは、そっかぁ。じゃあ俺は美味しそうなかわいこちゃんでも食べて我慢しよーっと」
ひらひらと
コンドームを人差し指と中指で挟んでふりながら、部屋を出ていく坊っちゃん
「ゴムありがと。鷺田にしっきーは中々取れないから安心してっつっといて」
「あまりいじめないで下さいよね。嫉妬の矛先全部私に来るんですから」
「あはは、しっきーがノロケター」
ぱたりと閉まった扉と、随分前からシャワーの音がしなくなった浴室
さて、どうやってご機嫌をとるかな
帰