私のおうちのお隣には、
頭が良くてかっこよくって、すんごく意地悪なお兄ちゃんがいた




「君はこんな問題も解けないんですか?そんな馬鹿な頭ではまともに探すと嫁ぎ相手にもさぞ苦労するんでしょうね」


わからない宿題をきくだけてこの意地悪
でも、そんな意地悪ばかりなお兄ちゃんが
私は、大好きだった。だってお兄ちゃんは意地悪でもいつも私を構ってくれるから


「えへへ、お嫁さんになんか行かないもーん」

「行きますよ、君は。というか来てもらわなくては困りますからね」


大好きだ
大好きだった



だから、頭がいいお兄ちゃんが
王宮で勤めることになったとき




私は、泣いた
わんわんないた。大泣きして、行かないでと駄々をこねた






すると、お兄ちゃんは私を抱き締めて約束をしてくれた




「貰うまではちゃんと月に一度は会いに来ますから」



何を貰うのか、私にはわからなかったけれど
会いに来てくれるって、言ったから
だから、だから、私は我慢したのに








したのに、したのに!!







ざしゅざしゅと、動かなくなった死体にそれでも果物ナイフを突き刺す




お兄ちゃんはもう二月は来てない
『ごめん』ってメッセージが添えられたおようふくなんて、いらない


私があいたいのは、お兄ちゃんだけなんだ






だから、






いつもいつも、お兄ちゃんからお金を取る
お兄ちゃんの大嫌いな、おじさんは私がやっつけたよ








これでまた来てくれるよね?お兄ちゃん





『0 愚者(道化師)』
夢想・愚行・極端・熱狂







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テーマ「人外ファンタジー」
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