「トミー、まだ?まだなの?」
「ん……もうちょい……ほいよ」
「きゃあああああかわゆいいいいい!!」
トミーから渡されたそれは
印刷したてのうちの屋敷の坊っちゃんたちのベストショットだ
一番上の坊っちゃんの照れ笑い
悪ぶってるけどこっそり番犬とじゃれあう真ん中の坊っちゃんに
極めつけは
「あああああたまんない!!これは旦那様に渡せないわ!!!」
お昼寝してる和樹坊っちゃんに
あまねちゃんが頬を染めて恥ずかしそうにほっぺにちゅーしてるショットだ
うん、とりあえず旦那様には二人でお昼寝してるのをさしだそう
「あー、うちの坊っちゃん達は可愛いな」
「うんうん、特に和樹様とあまねちゃんは持って帰りたい」
旦那様との契約で、坊っちゃん達の成長過程を提出さえすれば撮影しても良いと許可を貰ったのは先日のことだ
ちなみにトミーも許可をもらっている
「つか、料理長はさぁ」
「ん?」
「なんで、料理人になったんだ?お前なら保育士とかのが天職じゃないのか」
保育士
そう、保育士になりたいときもあった。けれど
「持って帰りたくなるからダメだよ……つーか毎日天使に囲まれるとか、マジ死ぬから…!!」
そう語ったとき
同士であるはずのトミーの冷たい視線が私に突き刺さった
『保育士にはなれません』
帰