クリスマス
それすなわち、お誕生日に並ぶ大イベント

しかも家の屋敷には仲良しキューティーらぶらぶなちびっこカップルや、受験を乗りきった坊っちゃん達


そんな子供達を愛する奥さまと旦那様が
イヴは家族で過ごすらしいのだけれど










なんとクリスマスは、会社の重役や取引先の方々を呼んで屋敷でパーティーを開きました









さらに加えて、マイ実家から援軍要請とか、










死に目を見ました










23日の深夜に実家に帰り朝まで予約のケーキ地獄
ついでに屋敷で使うケーキの準備も済ませ24日の朝方屋敷に帰宅

通常業務クリスマス使用をこなしつつ、25日に出すパーティー料理の仕込みをし

25日も日付変更直後から調理場の椅子でローストビーフを見ながらの仮眠と言う始末
しかもパーティーが終わってからも片付けに時間がかかり
結局23〜25日の三日間で睡眠時間3時間弱の強行スケジュール


26日はさすがに休みを頂きまして丸一日爆睡し












自室の机の上のソレに気づいたのは
よりによって27の夜、仕事が終わった深夜だった




「………やっば」




綺麗にラッピングされた小さな箱とメリークリスマスと達筆で書かれたカードを手にとり

そういえばパーティーの日はやたら様子を見に来ていたなぁと思い出す
あれは私の反応を気にしていたのか
さすがにこれは酷いことをしたと思う


クリスマスを一緒に過ごせないではあきたらず
プレゼントにすら気づかない、なんて……



(一応)恋人として、さすがに失礼で最悪だ













「…………志岐?」

夜遅く、クリスマス関連で滞ってしまった書類を片付けていると
ノックもせずに志岐が部屋の中へと小さく開いたドアから入り込んできた


そして私のとなりに立つと、気まずそうに視線を落とし


「どうし……」




ふわ、と
抱き締められた


「……私服のセンスは終わってるけど、アレ凄く可愛かった」

「……やっと気付きましたか」

「うるさい。ちゃんと恋人らしくしてあげてるんだから許してよ」


唇を尖らせて、拗ねながらも私の方に手を置いて身を屈め何度もキスをしてくれる愛しい彼女
正直、無理矢理繋ぎ止めてからは辛辣な扱いを受けることばかりだったから


もちろんそれすらも許容してしまうほど愛しいのだけど


………こんなことをされたら、嬉しいに決まってる

くしゃりと髪を崩されたのが合図のように
彼女を抱き締めて、ゆっくりと唇を開いて舌を差し入れる


「ん…ふ…」



全然違う。身体だけの時とは違う想いがこもった熱いキスを堪能し
唇を話すと、はぅと色っぽい吐息と潤んだ瞳をした志岐がにこりと笑って


そのまま甘えるように抱きついてきた



「お礼はキスだけですか?」

「まーだ仕事中なんでしょ」


クスクスと笑いながら、お預けをしようとする彼女が可愛すぎて憎らしい

ここまで煽られて我慢が出来る筈が無いのに



「今日はもう部屋に戻しませんよ」

「………敬語、止めて」

「……好きだよ志岐。MerryX'mas」

「………うん、涼…」








彼女が吐息で呟いた






“すき”が、私にとっては何よりのプレゼントでした。








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