またか。
どこの屋敷の人間も人を着せ替え人形みたいに扱いよって


そんなことを思いつつ、口を開こうとしたが
それよりも早く突っ込みをいれた人がいた



「駄目です。絶対にやめなさい。貴女の趣味に小春様を巻き込むなんていけません」

「えー、若さに見合った若々しい服を着てもらいたいだけなんだけどなぁ」

「貴女のは一歩間違えたら派手ですよ」

「おっさんくさい執事長には言われたくないよ」




えーっと
私の返事を聞かずにすっかり二人の世界で言い争う志岐さんと執事長

執事さまは、なんだか真面目で近寄りにくいイメージやったけど
こうしてみるとなんだか………


「小春お姉ちゃん、」

「ん?あぁどうしたん?」

「あのね、志岐お姉ちゃんと鷺田さんもね、婚約者なんだよ」







は?







「うええ!?ほ、ほんまに!!??」



つい、大声をあげるとその場の全員の視線が集まった


どうしたんだよ、と言うスズの声にも反応出来ない
きょとりとこちらを見る明るいお姉ちゃん的な志岐さんに
落ち着ききった執事らしい執事の鷺田さん


「どうかしました?小春さま」

「申し訳ありません、彼女にはよく言っておきます」

「い、いやそれはええねんけど………」


普段は他所の色恋沙汰なんてめんどくさいし興味もあらへんけど
意外性しかあらへん。歳の差も結構ありそうやし
意外すぎてめっちゃ気になる……


「え、良いの?着てくれるの?」

「違いますよ。小春様は無礼を許してくださると言ってるんですよ」



とりあえず着せ替え人形の危機なんやけど



私は、二人の関係が気になって仕方なかった









「せ、政略結婚なんかな……」

「悪趣味なことに、鷺田からのプロポーズだそうだ」

「え、マジで和樹。ちょお詳しく教えてや」

「それよりお前の婚約者をなんとかしてやれよ」






「鈴樹お兄ちゃん、大丈夫?」

「……大丈夫に見えるのかよ」

「えっと……見えない、かなぁ」








鈴樹氏ずっと小春ちゃんにスルーされてました(笑)






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