「志岐お姉ちゃん」

ぱたぱたぱたとこちらに来るあまねちゃんうわー可愛いなぁ持って帰りたいたいなぁとか思いつつ

部屋には上の坊っちゃんと同じ歳くらいの少年少女がいた


………もったいない。それなりに発育も良い女性なのだから、もっとバストを強調させたり化粧をもう少し濃くしたり




肌を露出させたい




そんなことを、女性に対して思った


「あまねちゃんはい、おやつ持ってきたよ?ああああ今日も可愛いねぇ」

「志岐お姉ちゃん、志岐お姉ちゃん、小春お姉ちゃんがごはん美味しかったって」


ほわほわした笑顔を振り撒く天使を抱き締めたい衝動を堪えつつ
おやつの乗った皿を差し出すと


女性がぺこりと頭を下げながらソファから立ち上がった


「お昼ありがとう。量も味もめっちゃ食べやすくて美味しかったわ。てか凄いなぁ、偏食のスズにも合わせてあってびっくりしたわ」

「……おい、そんなこと言う必要無いだろ」

「何言うてん。家じゃ散々っぱら残すくせに」

「あいつらは出しすぎなんだよ」




ハキハキ明るくチャキチャキの大阪弁の小春さまに
拗ねながらも構って欲しそうな鈴樹様
え、ちょ



なにこのわっかりやすくて、めんどくさそうで可愛い子!!!!



「あのね、志岐お姉ちゃん。小春お姉ちゃんと鈴樹お兄ちゃんもね、婚約者なんだって」

「うんうん、あまねちゃんと和樹坊っちゃんみたいに仲良しさんですねー」


お姉ちゃん、知ってたけどさ
嬉しそうに報告をしてくれるあまねちゃんが可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて仕方がない


「まぁぼちぼち仲はええけどな。それより、えーっと志岐さんはあまねちゃんのお姉ちゃんなん?」


え、



え、


「あまねちゃん、貰って良いんですか?」


「駄目に決まってるだろ。あまねは俺のだ」


ちっ
内心で舌打ちをしつつ、にっこり笑いながら小春様に握手を求める


「初めまして、ここで料理長をさせてもらってる志岐です。あまねちゃんとは仲良しなんだよねー」

「ねー」


今日も可愛い可愛い天使ちゃん
気に入られた喜びを噛み締めつつ
私は新たな獲物を見つけた



『トミーの読みは当たりました』



「あ、なら小春様。夕食はお好み焼きとか作ります?」

「え、マジでええん?」

「良いですよー。ならメイドの休憩室からホットプレート持ってきますね」








「……ホットプレート使う料理長とか、ありなのか」

「あいつの腕は確かだ。腕は、だけど」






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