とりあえず、お先真っ暗な婚約関係になった翌日の土曜日





天使は私に微笑んだ




「あ、あの、志岐さん………ちょっとお願いがあるのですが」

「はいはいはい、なんでしょうか?」


昼食後、私の元へ来た天使にかけより椅子を差し出す
けれど天使はそれには座らずに








わ た し の ふ く つ か ん で
み あ げ て き た よ !!!!!!





狙ってますか狙ってますね最高のアングルです


とりあえず可愛い。とにかく可愛い。いやもう可愛い。
坊っちゃんいないし、さらっちゃダメかな……



「あの、お買い物に付き合っていただきたいんですが」






デートきたああああああああああああ!!!!!!!!!!!




















はずが















「ほらあまね、ちゃんとシートベルトしろよ」

「うん」


ですよねー
こうなるよねー
でも私としては、坊っちゃんがいてもそれはそれで可愛くて仕方ないから美味しいよ。



うん、坊っちゃんだけならさ!!



「志岐……貴女はそんな服しか無いんですか?」

「むしろプライベートに近い買い物でスーツとか無いね」


おいトミー
お前『運転氏』だろ
何サボってんだよ。なんで







執事ちょー様がここにいるんだよ
なんで涼がスーツ姿で運転をしているんだろう……






しっかりとしたそれでも普通のお洋服の坊っちゃん達に
スーツ姿の執事ちょー様に



短パンにキャミの上に襟回りにもふもふが着いたロングコートに編み上げのロングブーツ

さらに不機嫌を隠すためにお洒落サングラスをかけた私は、私だけがばっちり浮いていた

ふーんだ。どうせ私服を着る機会はあまりないからガッツリしたギャル服しか持ってませんよーだ



とりあえず今の私と涼はまさしく愛人とかキャバ嬢と客とかそんな感じだった



「とりあえず、現地では私とあまねさまは別行動しますからねー」

「……は?なに言ってるんですか駄目ですよ」

「……お前にあまねを任せるのは怖いんだが」

「そんなこと言っちゃって、あまねさまと私の新しいパンツ選ぶつもりですかー?しかも勝負パンツですよクリスマスも近いですし」


うっ、と黙った男供を見てからサングラスを額に上げてニコッとあまねさまに笑いかけると


あまねさまは複雑そうに、けれどほんわかと微笑んだ



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