へらへら笑いながら、うちの菓子を食うあまね
一応作法は身に付いているのか、フォークさばきとか普通だ
「あぁ、カップケーキはかぷっと行ってくれたら可愛いのに……」
「……さがれ料理長」
「かしこまりました」
軽く料理長を睨んでると、反対にあまねは「すごく美味しいです!!」と言いながらペコペコ頭を下げていた
全く
こいつが人見知りするから、家に連れてきたのに二人きりになれないなら意味が無いじゃないか
「あまね」
「はい?」
「もう楽にして良いぞ」
「え、と……」
「つか俺が楽になりたいからしてくれるか?」
ぱちぱち、とまばたきをするあまねの前でわざとらしくベットに座ると
あまねもぽふっとソファに寄りかかるのが見えた
多分どこまで気を抜いても構わないか悩んでんだろうなぁ
わたわたするあまねをじっと見ていると、しばらくしてからあまねがソファの上で向きを変えて背もたれからちょこんと顔を出してこちらを向いた
「和樹くん和樹くん」
「なに」
「気を使ってもらえてありがとうございます」
………ばれてる。
それじゃあベットに居るのも意味は無いなと思いあまねの隣に座り、ちょっと悔しかったからあまねにぐいぐい寄りかかると
「和樹くんもわんちゃんみたい」
そのままぎゅっと抱き締められた
「………っ……」
だっせぇ。今俺絶対真っ赤だ
でもあまねの手の中から逃げたくなんかない
本当は抱き締めたいけど、振り向いたら赤いのがばれる
だからそのまま
俺はあまねに抱かれるままになり、しばらくして二人揃ってお昼寝に入った
『天然って嫌だ』
(撮りたい撮りたいあれ撮りたい!!)
(ダメです。料理長はお部屋にお戻りください)
(いやだって坊っちゃんが抱き締められて寝るとかすっごいレアじゃない!!)
(私だけの特権ですからさっさとお下がりください)
(なによそれえええ!!!!)
帰