Q、冬のボーナスが出たら何を買いますか?







「うわあああ……」


画面から、目が離せない
すごくすごく美味しそう
食べごたえもあって、ちょっと大変そうだけど……



『たべたいたべたい』


くねくねと髪を揺らしイコで呟きながらメモ帳に必要な物を書きだして







おし!!とはやる気持ちのまま
私は冬のボーナスを片手に町に繰り出した














「あの、支部長……ちょっと良いですか?」

「あら?どうしたのニコちゃんその大荷物!!大丈夫?重くない!?」

重さはそのままロマンだから大丈夫だ
そんなことより、そんなことより……



「大丈夫ですけど、あの………






ガス代払うので、調理室貸して下さい!!!」










『はちじゅうに〜、はちじゅうさん〜』



ぺたぺたっ
じゅうううう
カチャカチャカチャカチャ



校内中に広がる甘い匂い
今日は中々来ないなぁと思ったらニコは満面の笑みで調理室で髪総出でお菓子を作ってた



「……ねぇ閏、ニコちゃん何作ってるのかしら…」

「……見た通りじゃねぇの」

見たところ
作っているものは非常にわかりやすい




問題は、その量だ



髪総出で






調理室のコンロ六機……つまり12個の火元を使い

るんるんと焼き続けている



あとなんだかバカでかい鍋でずっと材料を作り続けているし





完成品もすげぇ量だ
そのあまりの異常な状態にその場に集まった俺たちは不覚にも話しかけられなかった



「おい……量おかしいぞ。ニコはこれを全部食う気なのか」

「じゃねぇのー?すげぇなぁ。リュックの中全部回復アイテム肉まんってこんな感じなのか」

「ちょっと止めなさいよ!!あたしニコちゃんがまん丸になったら嫌よ!!って言うか、これニコちゃんと同じくらい面積あるんじゃないの……」

「いやでもニコ弁当箱が重箱でいっつもケロッと食ってんぞ」

「二口女って、好きな男の人をぺろって食べちゃうって伝説だよねー」




クルンの言葉に一同が俺を見た
ニコが、俺を食うねぇ………


パくっと、山盛られたホットケーキを一枚食べると

まだ暖かくてすごく美味かった




「上等じゃねぇか。ニコが俺を食うより先に俺がニコを食ってやんよ」



『ひゃーく!!』
「出来たー!!」



ちょうどよくニコが終わったのか、うきうきしながらこっちに来てきょとんと固まった

つーか作りながらも片付けをしていたのか、最後に使ってたコンロ以外は綺麗に片付けられてて素直に凄い


「あれ先輩達どうしたんですか?」

「それは俺等が聞きたいんだが。この大量のホットケーキはどうした?」


大量も大量
学校の机を六個くっつけた上に山盛られたホットケーキは、少なくとも100は余裕で越えていた


「昨日動画で卵100個でホットケーキを作ってみた!って言うのが凄く美味しそうだったからつい、作ってみちゃったんです……せっかくボーナスも貰ったことですし」


えへへとはにかむニコがあまりに可愛くて、そのまま捕獲しもがくニコをぎゅーっと抱きしめた






どうやら俺の恋人はスケールが違うみたいだ






Q、冬のボーナスで何を買いますか?


A、卵100個買いました






「つーかこれ何枚あるんだ?」


「動画だと1000枚だったみたいなんですけど、私は牛乳を使ったからもっとありそうなんですよねぇ。えへへ食べるの楽しみだー!!」

「……まさか一日じゃ食い終わらないよな」

「うーん、一週間は持たないかなぁ」





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