一面に広がる黄金色の世界に

そんな世界にぽつりと佇む彼女に



言い様の無い恐怖を感じた。まるで銀を失ってしまうんじゃないか、そんな恐怖を








本来ならば種子をつけるこの季節は、彼女にとっては子供達の断末魔を聞いた悲しい喪の季節でもある


忘れられはしない
去年の風車片手に雨の中濡れながら泣き苦しんでいた彼女を




可愛らしい彼女の憂いを帯びた表情と、それとは対称的すぎる美しい大量の彼女の葉
不覚にも

私でも、そんな彼女に話しかけることは出来なかった





「………六花?」


けれど






彼女は私を見つけると、嬉しそうに笑い




風に衣をなびかせながら、私の元へきちんと来てくれた





「どうしたの?泣きそうな顔してる」



本当は自分が辛いのだろうに、
いつだって私の異変に気づき、自分よりも優先してくれる銀がなによりも愛しい―――……



「……しろ、かねが…」


「うん?」


「……愛しすぎてどうしましょうか、」


「な、ば、バカ!!心配して損した」



頬を染めてむくれながら離れようとする彼女はいつもと同じで
そのごとに安堵しながら私は彼女を抱き締めた




『昔とは違う』









おまけ





六花とデートに下界に拉致された訳だけど、





「わーい銀杏だ銀杏だ!!」

「洗って芋と一緒にやいちまおーぜ!!」



違うんだけど。あの樹は私じゃ無いんだけど
違うから、違うから



「銀さんを、食べる気ですか……」




真っ黒いオーラを出すのはやめてぇ!!





パンパンパン!!!!


「うおあっちぃ!!!」


「ぎゃああああ」


「銀杏が破裂して飛んできたああ」






「全く、銀さんを食べて良いのは私だけですよ」


「六花……なんかした?」


「いいえ私はなにも。銀杏も食べられたくなかっただけではありませんか?」




謎は闇の中。



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