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たくさん露店を回り、たくさん話をして
夕暮れまでまだまだ時間はあったが俺はミフレを連れて家に帰ることにした
母さん心配だし、まだミフレと離れたくないし
ミフレは孤児で教会で育てられている。弱いが治療魔法も使えて将来は教会で治療師になる予定だ
そんな彼女は、俺の母を実母のように慕っていて
母さんもミフレがお気に入りだ
会わせれば、母さんも元気になるかな
俺は、ミフレと手を繋ぎながらそんなことを考えていた――――が、
「……え…?」
『死ね、死ねぇっ!!人間なんかみんなしんじまえっ!!!!!!』
“やだねぇ、あそこの奥さん魔女だったのかい?”
“なんでも審問会の人が闇の気を感知して気付いたみたいだよ”
“やだやだ、街中にまで入り込んで来るなんてこわいねぇ”
包丁を振り回す、殺気だった母さん
母さんを取り囲む、審問会の服を着た人たち
あまりに、非現実的で
俺はただ見ているだけだった
「化物には粛正を」
母さんが、剣で上半身と下半身が別れるところを
ただ呆然と見ていた
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