お外が大好きなときちゃんと違って


私は、お家の中が大好きだ。でもとおさまとかあさまはいつも忙しいから






「どうかした?亜虎」


絵本を後ろに隠して
柱の影にかくれてもじもじする

こうちゃんは、お勉強中だ
でも構って欲しい。邪魔しちゃいけないけど遊んで欲しい。
筆を持って首をかしげるこうちゃんをじぃっとたっぷり見たあと名残惜しいけど離れようとした



でも、



くすくす



こうちゃんの楽しそうな笑い声に振り向くと、そこにはまっくろ兎さんがいた

こうちゃんも、とおさまも、ときちゃんも

兎さんの状態は可愛くて可愛くて、大好きだ

つい駆け寄ってぎゅーってしたくなる




『亜虎、僕勉強ばかりで疲れたから一緒に休憩してくれないかな?』

「───うんっ!!」


したくなったから、絵本を放り投げて
小さなこうちゃんのもふもふの身体をぎゅーってした


『久しぶりに絵本とか読みたいなぁ。亜虎のお勉強ついでに読んでくれない?』

「がんばる」


絵本の所にもどって、こうちゃんを膝に乗せて何回も何回も読んだ絵本を開く
人に聴かせるってなんかくすぐったくって恥ずかしかったけど───


「むかしむかし、あるところにね────」

『うん、それでそれで?』




凄く凄く楽しかった
やっぱり私は、お家の中が大好きだ





『絵本とお兄ちゃん』








『!!あとらときにも読んでー!!』

『うわ、兎季、突っ込んできたら危ないだろ』


「ときちゃんもこうちゃんもふわふわ大好きー」





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