『にゃぁー』
“りったんは、うささんがすきなの?”


久しぶりにあったふわふわの女のコにそう言うと
彼女はとろけそうな笑顔で顔を洗いながらコクリと頷いた


「がぅー」
“だいすきすぎるくらいに大好きなの”


そう言って、りったんは私たちを見守っていたうささんに駆け寄ってぎゅむっとしがみついた


「利虎?にゃんさんと遊ばなくて良いんですか?」

「う゛ー」
“らいとさまだいすきー”


言葉は通じてないはずなのに
なかよしこよししている、二人が嫌だった



『みゃあ!みゃあー!』


一生懸命その場で鳴き声をあげると、りったんは悲しそうに悲しそうにしながら私の隣まで来てくれた
せっかく来てくれたのにちらちらとうささんを振り向いてばかり
耳も尻尾もだらんと垂れて元気が無さそうで、それは私がほっぺを嘗めても変わらなかった


私じゃ、りったんを笑わせることは出来なかった














「にゃん?どうした、お前あの虎好きだろ?」

『みぃー』


すっかりしょぼくれたにゃんの頭を撫でるも効果が無い
二匹は初めは楽しそうだったのに、途中から虎がしょげだし
そんな虎を來兎があやしだすと今度はにゃんがしょぼくれた



あちらを立たせばこちらが立たず
こちらを立たせばあちらが立たない

來兎は利虎を慰めて可愛がることに専念するばかりでこちらにはノータッチだった



「元気出せ」

『……ぅなぁ…』


喉を撫でても、抱いてやっても効果が無い
参った
見た感じ來兎と同じことをしてみるが意味が無い
そもそもあの虎は來兎が抱いただけで大喜びだ



「今日はお前の好きな魚食わせてやるから」

『にゃ?』

「俺の分もやるから」

『……にゃぅう…』


まさか食いついて驚いたが、それくらいで喜ぶならばと俺のもやると言った
が、しかしにゃんは少し考えてから
俺をたしたしと手でたたいてからクイッと來兎たちを見た


「ん?」

『うにゃ、にゃー』

「あいつにやれって?魚を」

『にゃ!!』


わかったと頭を撫でてやると、にゃんは嬉しそうに尻尾をたててゴロゴロと喉をならした
─────まぁ俺は、別にこんなのでも良い。

























「これ、虎に食わせてやってくれってにゃんから」

「……利虎は肉を食べられないんですが」

「うげ、まじか」






にゃんにこれがバレたら
俺はどうすりゃ良いんだ



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