りりは、私が知るどの子供より
我儘が少なく甘えん坊だった



甘えん坊だが、自発的に甘えない。だからこそ甘やかしてやったときの喜びようにと言ったら見ているこちらが嬉しくなる

「夕霧?」

「美味しいかい?」

「すっごく美味しい」


自分の頭と同じくらいの苺を、しゃくしゃくと食べて
ちらちらとこちらを見上げて嬉しそうに笑う様子はとても愛らしい

「あ、」

「お前はどんくさいねぇ」

「…ごめんなさい」


ポロリと苺を落としてあからさまに凹む様もとともかわいいが、やはり彼女は笑っていた方が私の胸も落ち着く

りりの落ち込んだ顔は、私の心臓に悪い


「ほれ。持っていてやるからお食べ?」

「は、はい!!夕霧ありがとう!!」


私が摘まむ苺を照れながらかじるりりの表情は






私が大好きなあどけない笑顔だった









『いちごと笑顔』


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