もふもふもふもふ
ぐるるるるるるこてんっ

喉を撫でてやると、全身を擦り付けて甘えてくるので
両手で全身を撫で回してやるとふわふわの白い腹を出して撫でてーと輝く瞳で見つめられた


「甘えん坊さんですね」

『がぅー』

そのままかぷりと噛まれて、軽く腕に穴が空くも
それでもじゃれつく子供が可愛いのでそのまま遊ばせ、しばらくしてひょいっと利虎を肩に担ぎ上げた


「お散歩に行きましょうか?」

『がうっ!!』












のびのびと草原を駆け回る、虎の子
普通に可愛らしいかぎりだ。たとえ僕の部屋をボロボロにされても……

まさか兎の僕が、肉食の虎の子を育てることになるとは。けれど利虎は肉を与えても嫌々と首を振り決して食べなかった

それどころか怯えた表情で見られて、さすがにちょっとだけ困った
米に味を付けた物などを与えているのだけれど、そんなんで良いのだろうか───
やはりいずれか、肉食の方々に預け直した方が良いのだろうか













そんなことを考えていた僕は
まさかあんなことが起こるなんて考えても無かった














むぎゅっ

「がうう゛!」

「へ………?」


僕に抱きつく、膝程のサイズしか無いふわふわの金髪の少女
そんな彼女が金色の眼を輝かせて
ふにゃぁっと笑いながら見上げた瞬間、ドキンと胸が高鳴った


「君は……?」

少女に合わせてしゃがむと、細い白い腕で首にぎゅっと抱きつかれて




ぺろりと、ほほを嘗められた
目の前にある嬉しそうな満面の笑顔



ドキドキと胸が高鳴る



「がぁーう゛ー」

「り、利虎?」


こくこくこくこく!!

それはもう嬉しそうに一生懸命首を振り笑う少女に、そんな趣味は無い筈の僕だったが




くらり、と陥落した










そして二人の結びつきはさらに強くなった



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