ある日、日の出と共に外に出ると



ちょこん。



拳ほどのたまごが、小さな竹籠に入って戸の目の前に置かれていた。
座敷わらしのイタズラかと思いとりあえず邪魔だから籠を持ち上げて中に尋ねるも、寝てるのか奴は無反応で


やれ、どうしたものかと溜め息をついたそのとき────



パリ、パリリッ
















卵が孵化して、
中から、黒髪の小さな少女が出てきた



その肌に浮き出る鱗と良い、尖った耳や細長い瞳孔の眼は明らかに私と同族だけれど─────────龍って卵生だったっか

思い悩む私を他所に、小さな子龍はぱちくりと目を瞬かせてから───────ふにゃりと嬉しそうに笑い、籠から身を乗り出して手を伸ばして来た


「これ、危ないよ」


籠から落ちかけた掌サイズの少女を、直に抱くと
彼女はうんしょうんしょと私の腕を器用に登って



肩に立ち、私の耳元あたりにすりすりと甘えてきた



『だいすき』


そんな小さな声とともに、我が家には一匹家族が増えた



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