痛覚も無い身体だから大丈夫なのに、
洞窟の奥にはお殿様みたいに敷き布団が二枚重ねられ、私はそこで活動をしていた
服、も
いつの間にかたくさん用意されていて
何にもいらないのに、いつの間にかたくさんの物を与えられて
いつしか、牛頭鬼さんが私を見る目が凄く凄く優しくなっていたけど
私はそれに応えられないから申し訳無くて目を逸らした
私が愛するのは
私が殺した五郎さんだけ
外見の醜悪も気になるけど、それを抜きにしても私は牛頭鬼さんを好きになったり出来ない
「大丈夫か?不自由をさせてすまないな」
「大丈夫です」
一月すぎて
二月がすぎて
三月が過ぎて。
殺されない現状に
五郎さんの元へ行けない現状に
牛頭鬼さんの想いに応えられない罪悪感に
ついにつぶれてしまった私は、彼が寝てる間に洞窟から逃げ出した
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