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「お前は死んだ。そこに俺の角をつかって魂だけ蘇らせたんだろうが……俺の大切な角を返してほしい」
「死んだ…?」
「自分の身体触ってみろ。動いてないだろ。痛覚も何も無いはずだ」
化物にいわれるまま身体を触ると
肌の感触はあるのに、そこには温もりも感覚も無かった
足元が崩れていくような謎の感覚に陥る
「……わたし、死んだの?」
「正確には死んでいる、だ」
「…………そのはんごんのなんとかを、したから……私は誰かに操られて五郎さんを殺したの?」
「動く死体は本人以外の者でも容易く入り込むことが出来るからな。今は俺にびびって近づいて来ないだけで邪鬼どもは率先してお前の身体を奪い合うだろうな」
わたしが、しんで
わたしが、生き返って
生き返ったせいで、五郎さんが死んで
そんなの
そんなの、生き返りたくなんかなかったっ……!!
「いいよ」
じっと
牛鬼の頭の化物を見上げる
恐い。この化物も殺されることもとても恐い。
でも、生きていたくなんかない………
「角、返してあげるから。とって良いよ」
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