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夢だ悪夢だ
あんなのは現実に起きたなんて信じたくない
“しょうのないやつだなぁいろりは。まーたそんな夢みたいなことを言って”
“えへへ、だって五郎さんと一緒なら私なんでも出来る気がするんですよ”
『なんでも』?
違うそれは幸せになるための何かであって
あんなむごいことをしたかったわけじゃない
五郎さん
五郎さん
あんなのは、私が見た悪夢だよね
だって私の身体が誰かに操られるなんてあり得ないもの
“そうか”
“五郎さん?”
“だから、いろりは俺を殺したんだなぁ?”
急に変わる世界
今まで笑顔で話していた五郎さんの頭には、鎌が突き刺さり―――…………
「きゃああああああああ!!!!!」
そして私の悪夢は終演を迎えた
けれど現実も然程代わり映えはしなかった
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