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[24]涙の樹
by うみかん
2011/02/13 08:56
管理人:涙の樹





「………」

頬が、ヒキツル
植物用栄養剤。これは良い
なんで栄養をこういう形で摂取しないといけないくらい疲れはてるのか、とても疑問があるが純粋な好意からかもしれないから

とりあえず、栄養剤は良しとしよう


<媚薬入りトリュフです。これで、たまには六花さんをいじめてみてはいかがでしょう?笑 >



これは よ く な い よ ね !!


見た目はただの美味しそうなトリュフだったけど、ただでさえ無駄に絶倫な六花にこんなものを盛ったらどうなるかなんて考えたくもない

というか


盛る→速攻押し倒される


どうやって六花をいじめるの!!むしろ私が酷い目に合う結末しか見えないんだけど


あの六花を、私が焦らせる訳がない。本能のままに食べられて終りだ
そんなことが容易く想像出来る自分が、ちょっと嫌だ


「人事だと思って…」


たとえ姓行為禁止と書かれたこの部屋でも、六花はあっさりとヤるだろう。
とりあえずこのぶっそうな凶器には六花にバレる前に捨てさせてもらおう


「美味しそうですね、はい銀あーん」

「んぐっ!?!?!?」




箱を閉める前に
いつの間にか後ろにいた彼がトリュフを一つ摘まんで私の口にいれた
…………………咄嗟のことにおどろいて、私はソレを噛んで一呑みで体の中に納めた

「り、りっ…」

「へぇ、随分と面白そうなチョコレートですね。はい銀さんもう一個どうぞ?」

「絶対いや!!離してっ、早く吐きに行かないと!!」

「私が逃がすとでも思いますか?」



腰を掴んで抱える六花から必死に逃れようと暴れるけどこう見えて六花は馬鹿力だ
それでも手遅れになる前に早く吐き出したいから必死に暴れ続けると耳元でゾクリとするほど色っぽい六花の声を吹き込まれた


『残り四個……銀が食べないなら、私が食べますよ?もちろん銀には効果が抜けるまで付き合って頂きますけど、それで良いんですか?』


六花に薬を盛る
いつもよりパワーアップした六花に襲われる。しかも私正気


ブルッと背筋に寒気が走った


口元に、甘い匂いがするトリュフを擦り付けられる





私が盛られる
醜態を晒すかもしれないが、正気を手離して何も考えないですむかもしれない



思考の天秤はグラグラと揺れたが
カチャリと決着はついた


「りっかのへんたい……」


じわりと不覚にも涙がにじんで










パクリとトリュフを食べた。





それはまた凄く美味しいのが嫌だった。




「美味しいですか?」

「………うん」

「じゃあ私も、いただきましょうか。いつもの状態じゃ銀を満足させてあげられるか不安ですし」

「っ!?わ、私が全部食べっ………」




不貞腐れるのを止めて慌てて止めようとするがもう手遅れで
六花はトリュフを二つひょいっと食べていた

「はい、銀には最後の一個をあげますね」


呆然としてる間に再度口の中にトリュフを入れられて











私に出来たのは、早く家に帰ろうと促すことだけだった








『プレゼントは計画的に』




むしろ、これを狙ったんですか?




「おや、都合が良いことに栄養剤もありますね。これでへばっても大丈夫ですね?」




むしろ、狙ったとしか思えないんですけど



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