霧夢5000打記念小説



閃き






「なぁー」

平凡な日曜、平凡な朝。
昨晩は深く寝つけなかったからか異常なまでに眠くて、朝食後からソファに腰を埋めて目を閉じていた。

「なぁーって」

ギルベルトがさっきからずっと呼んでる。返事はしたい、でも目が開かねぇ。
意識はあるが目を開けられない…低血圧みたいだ。

そこへまた、ギルの声。

「なぁーって……言ってんだろ……。シエスタにはまだ早ぇぞ…
…ロヴィのばか………」

それは流石に聞き捨てならねぇと目を無理矢理こじ開ける。急に入り込む朝日に顔を顰め、やっぱり開けなきゃよかったと考える。

「ばかじゃねーよ馬鹿」

「何だよ起きてんじゃねーか」

元の表情は見てないが、絶対凄く嬉しそうな表情へと変わっただろう。
そういや弟が生まれてないほど昔から、ころころと変わる表情を見ては楽しんでいたな、と思い起こす。

「何なんだよさっきからなーなーって。猫か」

「酷くねぇ…?
ロヴィが俺様に構わねぇのが悪ぃんだろー」

微妙に水分の含まれた目、拗ねるように尖らせた唇。長い間友人兼兄的存在として付き合っていた時には見せられなかった、存外甘えたがりな本質。
こればかりは誰にも譲れない。ジャガイモ弟なんかにも見せたくない。

「何処のガキだ馬鹿」

からかえば、軽く睨まれる。そんな涙目で睨まれても可愛いだけだ、もちろん言わないが。
ふと、頭が押し付けられる。

「なぁ、ロヴィ、」
――だいすき

突然過ぎて頭がついていかないが、綺麗な耳ががトマトのように赤く染まるのを見たらもう、愛しくて。

「…キスして欲しいなら最初から言え、馬鹿」

「な……っんなこと言ってねーだろーが!!
っお、お前がしたいだけじゃねーの!!」

顔を上げて叫ぶが、トマトのように染まった顔は図星だと告げている。全く、隠し事の出来ない奴だ。

「じゃ、俺がしたいって事にしておいてやるよ…
……つーかそんな顔で否定されても説得力の欠片もないぜ?」

「…っ………」

弟にすら劣る、何の取り柄もない俺を愛してくれる人。それはすぐ傍に、何十年も何百年も、へたすりゃ千年以上いたかもしれない。

――Voi foste e siete le mie faville,
  E voi sarete, care pupille,
  Il mio bel foco finch'io vivro`.
  (あなたは昔も今もずっと私の閃きでしたし
  そしてあなたは愛しい瞳、
  私の美しい炎なのです 私の命のある限り)

思わず笑みが零れる。
目の前の閃きを抱きしめ、唇を落とした。










Buon compleanno, 俺!←

タイトル閃きで良かったんだよ・・・・ね?←


マジありがとう。
つーか、かなり遅れたよ。出来てる事に今日気づいたんだよ。許して遅れ。
ロウ"ィ兄マジ可愛いよー!!ギルで遊んでる感がたまんない←変態

ギル押し倒せ同盟←ねーよ



Grazie!星碧!!


02/06−蒼空


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