人気のない生徒会室。
しん、と静まり返ったその部屋で、アーサーは何かに耐えるようにひたすらペンを動かしていた。
しかし、それも書類がなくなれば止まる。
いつもより遥かに早く終えた。終えてしまった、というほうが正しいかもしれない。
インクの匂いが染み付いた机にうつ伏せる。
これでもう、逃げ道はなくなったんだ。
思い浮かぶのは、いつも数点差でテスト1位を奪われ、何度注意しても着衣の乱れを直そうとせず、顔を合わせれば嫌味ばかり言ってくる、大嫌いな俺様不良天才男児。
もうすぐ見られなくなるであろうその顔を思い出す。
(こうして考えてみると大して嫌いでもない…か? いや、むしろ―――)
生徒会室が空になるのに時間はかからなかった。
ギルベルト・バイルシュミット。
プロイセン。
――先日解体が宣言された国。国がなくなれば、多くの国人は消滅する。
…彼もまた、学園から消えてしまうだろう。
「…っは、ギ…ルベ、ルト…」
好きだ、なんて。
何で今更気付くんだ、もう遅すぎる。わかってる、のに。
走り出した足は止まらない。彼を探す。考えている暇などないくらい必死に。
気がつけば屋上。
職権乱用しつつ来てみれば、何故かいつも彼がいた。
初めて話したのもここだった、ここで偶然会って一緒に帰ったこともあった。
「…っ……」
見渡しても、そこら中くまなく探しても、どこにも見つからなくて、
「…こんな、の…」
涙が溢れた。
(もう一度、一度だけでいい…会いたい)
ああ、泣いていた時に慰めてくれたこともあったな。そんなことを思い出せば思い出すほどに涙は溢れた。
「……っく…」
「なーに泣いてんだ、泣き虫生徒会長」
「…! …ふ、ぁ?」
振り向いて映るのは、やっぱり憎たらしいほどに自信に溢れた笑顔。
「…おま…っ……なんで…」
「俺様がそう簡単に消えるかっての」
全く理屈にかなっていないのにそれでも何故か、ひどく安心できた。
相変わらず涙は止まりそうもない。種類の変わった涙が、屋上の床に落ちる。
「…っ…好き、だ……っ」
抱きついてそう言って、反論は聞かないとばかりに唇を塞いで。
ギルベルトはといえば、一瞬こそ驚いた表情を見せたものの、またすぐにやりと笑い、
「そんなこと、言われなくても知ってるぜ?」(至近距離でその顔は反則だ…!)
金と白金、翡翠と紅玉
(交じればそれは、神のみが知る宝玉)
星碧のサイトの555打踏みまして・・・
キリリク受け付けて無いにも関わらずキリリク小説書いてくれました。・・・・ええ子や・・・
なんかもう、アーサーはぁはぁな感じです(変態
でも、僕はギルがあんなかっこいい登場できるなんて知らなかった!!!!!!!!!!!!
でも、最後にヘタレな感じを醸し出す事を忘れない星碧はやっぱり凄いなと思いました(作文?
これからもサイト運営頑張れ!!
01/22−蒼空