Does loving you become a crime?
晴れた日。任務もないので、書庫でのんびり本んでも読もうと思った。暫く人の手にとられていなかったのか、無造作に積まれた本も、高い本棚に入っている本も埃を被っていた。
少しむせながらも、一冊本を手にし、埃を掃って脚立の上で本を読んでいた。

本を読みはじめ、夢中になっていた。するといきなり脚立がぐらりと揺れた。
「・・・!!?;」
何とか着地。一応暗殺部隊に所属しているため、この程度で怪我なんかしてられない。

「チッ・・・。」
「センパイ。今小さく舌打ちしましたねー。」

ししっと不気味に笑うセンパイ。


「これ、やるよ。」

バコッ

「・・・なんですかー、コレ。」

突然センパイに頭に被せられたソレ。

見ると、頭に乗っていたのは大きな黒い蛙。

「あのーコレかなり重いんですけどー。何と言う名の嫌がらせですかー?」

「それ、俺が直々にお前にのために買ってきてやったんだからな。外したら殺す。」

似合ってんじゃん。とかほざいてやがる目の前の変態王子基、ベルセンパイ。

頭に変な物乗せる変人は貴方だけで十分でーす。


そう思っていると後ろからナイフが飛んできた。

「グッ・・・何すんですかー・・・。」

「今俺に対してすげー失礼なこと思ってただろ。」

「ゲロッ・・・なんで分かったんですかー。」
「殺す。」


どうやらセンパイの逆鱗に触れたらしく沢山ナイフが飛んできた。
とりあえず避難すべく、なるべく避けながら書庫を出た。


****

何とかセンパイを撒いて廊下を歩いていた。

なんか、頭がぐらぐらする・・・。
あー・・・本当に重い。この蛙。

ふと、廊下に点々とある、大きな窓に目がいった。

近づき、窓を開ける。

ふわりと風が入ってきた。少し冷たい風。
今まで書庫という名の密室で本を読んでいたため、その冷たい風も熱くなった頬に触れると気持ちいい。

ああ、天気いいなー。
秋の空はどこまでも透き通っていた。雲も無い。

昨日も一昨日もその前の日も任務だった。しかも雨が朝から降ったり止んだりを繰り返し、服がびちょびちょになった。

今日のような任務の無い日に限ってこんな晴れ。

スクアーロ作戦隊長の呪いか何かですかねー。
あーイライラする。空はこんなに青くて、風はこんなに気持ちいいのにイライラする。今すぐ頭の蛙を外に向かって投げたい。

でも探しに行くのも面倒なためそれは止めておく。
でも、初めての貰い物でもあり、少し嬉しかったりもする。
ましてや、あのベルセンパイから・・・
実はあの人が好きだったり。

・・・はぁ、自分結構気持ち悪いなー。
しかも、センパイはミーの前任のマーモンとかって人が好きらしい。

その時点でミーの恋は終わってる。
分かっているのに諦めてくれないミーの心。

あーあ。今日何度目か分からないため息を吐く。


例えば明日、ベルセンパイが記憶喪失になったら。
例えば明日、この世にミーとベルセンパイ以外、人がいなくなったら。
例えば明日、世界が狂って、ミーとベルセンパイが出会った事も無しになったら。
例えば明日、自分の前からベルセンパイが消えてくれたら・・・


そんな事を考えてみる。ありえないありえない。そんなこと。
だいたい、センパイがミーの前から消えるなんて嫌だ。





お前のために・・・センパイはそう言った。

こんな嫌がらせも、ナイフを投げてくることすらも嬉しく思うのだから、自分はマゾだったのだろうかと疑ってしまう。
それは無いと思いたい。


空を見ていると前任の顔を思い出した。
前に一度ルッスセンパイに見せて貰った写真に居た。場所はベルセンパイの腕の中。
その時のセンパイの嬉しそうな顔。あんな笑顔見たことない。

けっ・・・分かってますよー。どうせミーの負けなんでしょー。

いつまでも過去の恋引きずってんじゃねーよ。堕王子のくせに。



センパイに八つ当たりしてみる。
すると頭の蛙が笑った気がした。





Does loving you become a crime?
(あなたを愛すのは罪になりますか?)



ああ、大っ嫌い(でも好きなの)。




End




ベルフラシリアスシリーズ第二弾。

ギャグ4割シリアス6割って感じですかね?

蒼空はどっちかと言うとシリアスの方が好きです。
甘いのは恥ずかしくなったり、エロに走ったりするので(変態!)。


風邪気味で学校休んだ蒼空でした。



01/22−蒼空


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