誕生日はおにぎりパーティー

「おい!キャプテン来たぞ!!」

こそりと出来るだけ静かに声を張り上げたシャチが窓から顔を離した。

「みんな!準備は良いか?」

ペンギンが全クルーを見渡した。

「「「おう!」」」

クルー達は勢いよく頷いた。

「よし!来たぞ!3……2……」

シャチの言葉に合わせてクルー達は固唾を飲んだ。


ーーギーッ



甲板への扉が開かれる。


ーーパンパンパン!!!


ハートの海賊団船長であるトラファルガー・ローが扉を開き現れると、クルー達が一斉にクラッカーを鳴らした。

「「「キャプテン!!!誕生日おめでとうございます!!!」」」

クルー達は息を揃えて祝いの言葉を口にした。

「…………あァ」

ローは驚いた顔を一瞬してから、ニヤリと笑った。

「キャプテン!俺達みんなから誕生日プレゼントがあるんです!!!」

シャチが代表して声をかけると各々クラッカーを投げ捨て、背の後ろに隠し持つ皿をローに向けた。

「「「キャプテン!!俺のを食べて下さい!」」」

方膝を甲板に付け、頭を下げ、両手で皿をローへと向ける。

「…………握り飯?」

ローは数々のおにぎりに目を見張った。

「はい。俺達気持ちを込めて握りました!」

ペンギンも真面目な顔でおにぎりを掲げる。

「思いなら誰にも負けません!」

シャチはサングラス越しに楽しそうに笑った。

「わ、私も端正込めて握りました!」

○○も尊敬するローを目の前に勇気を出して声を張り上げた。

「……」

ローは無言で○○の皿に乗るおにぎりを手に取った。

「キャプテン!!!」

○○は嬉しそうにローを真っ赤な顔で見上げる。

「……まァまァだな」

ローはニヤリと笑うと指についたご飯粒も舐め取った。

「あ!あ!あ!!ありがとうございます!!!」

○○は感動のあまり倒れそうになった。

「キャプテン!俺も!」

「俺も!!!」

我先にとローに群がるクルー達。そんな彼らを押しの避けて前に出たのはシロクマのベポだった。

「キャプテン!俺も頑張ったよー!!!」

ベポも少々緊張気味に笑った。

ローが手を伸ばし、そして、手を止める。

そこには白くて分からなかったが、ベポの毛がおにぎりに付いていた。

「やっぱりクマが握ったのは食べたくないよね……」

「「打たれ弱っ!!!」」

ベポのずーんっと音の鳴る落ち込みとペンギンとシャチの突っ込みが甲板を包んだ。

「……」

ローはベポの皿のおにぎりを手に取り、躊躇する事無くかぶり付いた。

「…………ん、なかなかだ」

「きゃ!キャプテン!!!」

ベポは嬉しさのあまりローに抱き付いた。









誕生日はおにぎりパーティー










「キャプテンカッコイイ!!」

「俺!キャプテンに一生付いて行く!」

「俺も!!!」

「わ、私だって!!!」

ローの船長としての器の大きさに感動するハートの海賊団クルーだった。






***





Happy Birthday ロー!!!

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