敵船の日常

「オヤジィィ!!!前方二時の方向から敵船だ!!!」

見張り役の顔に傷のある若い男が叫んだ。

「あれは!ロジャーの船だぜ!オヤジ!!」

双眼鏡で船旗を確認して続けざまに叫んだ。

「サッチ!!それは本当かよい?!」

下にいた金色のパイナップルの様な髪型の若い男が叫んだ。

「マルコ!テメェは俺様の目を信用しねェのか?!」

サッチと呼ばれた男がマルコと呼ばれる男に叫んだ。

「あァ」

「うおぃ!!!」

ニヤリと笑うマルコにサッチが盛大にツッコミを入れた。

「グラララララ!!!そう焦るなアホンダラァ!!!やる気があるなら迎え撃つだけだ!!!」

金髪の長い髪に白い大きな髭が特徴的な大きな男が、これまた大きな椅子に深く腰をかけたまま豪快に笑った。

「オヤジ!ロジャーの船が近付いて来る。あちらも気付いた様だ」

大柄の男が白ひげに近寄った。

「そうか、ジョズ。なら!テメェら!!!戦闘準備だァァァ!!!」

白ひげの怒号が船上を駆け抜け、船が揺れた。

「「「オォォ!!!!」」」

船に乗るクルー達も大声でそれに応じた。









緊張と高揚感が漂う船がお互いに引かれあう様に近付いた。


「久し振りだなァ、ロジャー」

白ひげはニヤリと椅子に座ったまま敵船の船長を見付け出し、口を開いた。

「白ひげ!!!今日こそ決着を付けるか?!」

ニヤリと笑うのはロジャーと呼ばれた立派な髭を蓄えた男だった。

「グラララララ!!!お前のようなひよっこが偉そうに!!」

白ひげが豪快に笑った。

「はっはっ!!まァ、何とでも言え!○○との入浴権は俺の物だ!!!!」

「……は?」

ロジャーの声に同じ船に乗っていた若い女が驚いて声を出す。

「何言ってんだ!船長!!!それは俺の権利だ!!!」

ロジャーの言葉に反論したのは赤髪に麦わら帽子の若い男だった。

「シャンクスまで?!」

若い女、どうやら彼女が○○と言うらしい。が不機嫌そうに叫ぶ。

「だから負けられねェ!!!それが例え白ひげェ!!!テメェであってもな!!!」

ロジャーはビシィィイっ!!と指をさした。

「ふざけんなっ!!この変態エロオヤジィィ!!!!」

○○が見事な回し蹴りをロジャーの後頭部へと叩き込んだ。

「…………」

「…………」

「…………」

ライバル関係にある敵船で繰り広げられる光景に白ひげ海賊団面々は押し黙る。

「……で?やるの?やらないの?」

サッチが眉間にシワを寄せながら聞く。

「うるさいわね!!ちょっと黙ってて!!!」

○○が振り返り叫ぶ。

「……怖ェ……」

「何であんな女取り合ってんの?」

こそこそと喋る白ひげ海賊団。

「テメェらァァ!!!○○の事悪く言うんじゃねェ!!!!」

「地獄耳!!!」

シャンクスが怒鳴るとサッチはあわわわと驚いた。

「とにかく!これは俺と船長の問題だ!!」

シャンクスが○○に叫ぶ。

「は?違うでしょ?!どう考えても私が損じゃない!!」

○○が怒りをあらわにした。

「嬉しい癖に!」

「ムカつく!」

「ぐはっ!!!」

○○が思いきりシャンクスを蹴り飛ばした。

「ちょっとバギー!頑張ってよ!」

「は?派手にふざけてんのか?!俺が勝てる訳ないだろー!!!」

「威張るなァァ!!!」

赤い鼻のバギーが嫌そうに叫ぶ。

「…………行くか」

白ひげが呆れながら声を出す。

「なら!ギャバンさん!」

「何?俺と入りたいの?」

○○が何やら叫ぶ。

「面舵いっぱーい!」

マルコの号令で白ひげの船はゆっくり動き出した。

「レイリーさん!!」

○○がレイリーに泣き付く。

「……ロジャー」

「なんだよ!」

「白ひげならもう行ったぞ……」

レイリーが遥か彼方のモビィ・ディック号を指差す。

「「え?」」

ロジャーとシャンクスが驚いて振り返る。

「コラー!!逃げるな白ひげー!!!」

「戦えー!!!」

ロジャーとシャンクスがギャーギャーと騒ぎ立てた。









敵船の日常










「俺、本当にオヤジの船に乗れて良かった!」

「俺も!」

「俺も!!」

「グラララララ!!!俺もお前たちみてェな息子が出来て幸せだ!!!!」

「「「オヤジィィ!!!!」」」

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