キスの日

「○○!!」

シャンクスが○○に近付いて来た。

「なに?どうしたの?」

○○はモップをかける手を止めてシャンクスを見る。

「キスしてくれ!」

「…………は?」

「だから、キスしてくれ!!」

シャンクスは両手を広げてにかりと笑った。

「…………ふんっ!」

「っぐはっ!!!」

疲れた顔を見せた○○が思いきりシャンクスに蹴りを入れた。
シャンクスはぶっ飛び物置に突っ込んだ。

「急に何言ってるの?」

○○は侮蔑の目線をシャンクスに向けた。

「いやな、ロジャー船長が今日はキスの日だって言うからさ!」

いてて、と言いながらシャンクスは起き上がった。

「チッ!あのセクハラ親父め!!」

○○は思いきり舌打ちをした。

「俺さ、初めては全部○○って決めてんだよ!」

「なっ!何を勝手な!」

シャンクスの爽やかな笑顔に○○は顔を真っ赤にした。

「だからさ!まずはキスから!」

シャンクスはにかりと笑って自分の口を指差した。

「っ!!」

「ったー!投げるな!」

○○は力任せに思いきり持っていたモップをシャンクスに投げ付けた。
シャンクスはそれを危なげ無く受け取る。

「いつもいつもいつもいつも!!セクハラなら他所でやれ!」

○○はキッとシャンクスを睨み付けた。

「言っとくけど、俺は○○に対してはいつでも本気だぞ!」

シャンクスはどん!っと胸を張った。

「…………」

○○は歯をぎりりと噛み締めてシャンクスを睨み付けた。

「…………良いよ」

「え?」

○○の言葉にシャンクスは我が耳を疑った。

「いらないの?」

「いや!いる!」

シャンクスは真っ赤な顔で目を閉じた○○を見た。
いつもは乱暴な○○の恥じらう姿を見てごくりと喉をならした。

「ほ、本当に良いのか?」

シャンクスはゆっくりと○○に近付いた。

「気が変わらない内にしたら?」

○○は目を閉じたまま口を開く。

「うわ、やべ」

「な、なに」

「緊張して手汗凄ェや」

シャンクスは自分のズボンで掌を拭った。

「っ!いつも本気じゃないからでしょ?」

「違っ!○○が可愛いからだろ!」

「やっぱ、止め」

「ダメ!」

目を開けた○○の両肩にシャンクスはそれぞれの両手を乗せて固定した。

ゆっくりと近付いてくるシャンクスの顔に驚いて○○は慌てて目を閉じた。









「良いなァ」



「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」

唇が重なりあう直前にすぐ近くで声がして、○○とシャンクスは同時に叫び声を上げた。









キスの日









「ぐはっ!!!」

「いやぁぁぁ!!!」

「○○!!!」

「しゃ、シャンクスまで殴る事は無いだろ……」

「す、すいません、つい。ってか、いつから?!」

「え?最初から」

「じゃあ邪魔しないでくださいよ!もう少しだったのに!」

「えー、もうくっ付くとかつまんねェ」

「…………くっ!○○ー!!待ってー!」

「付いて来るなぁぁ!!!」





「…………ロジャー、お前本当に……」

「は?いや、だからレイリー俺はルージュ一筋だ!」

「……どうだか」










***






5月23日はキスの日だそうです。

…………してないですがね(笑)




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