ベッドからこんにちは!

毎日、毎日、まーいにち、ホットケーキだったらどうするの?


じゃなくて、毎日、毎日、朝起きて、満員電車に揺られて、仕事して、上司に嫌み言われて、残業して、酒飲んで、寝ての繰返し。


良い年して「別の世界へ旅立ちたい!」とか思ったりもして、なのに、一行にその願いは叶わなくて。


「行くなら幻水か、ワンピが良いのにな」

とか、恥ずかし気もなく呟いてみたりして。

私は中二病と呼ばれる物にかかっているのだろうか?

いや、別に今の生活にも世界にも不満はない。

無いけど、どうしても、たまに夢を見る。

別の世界へ旅立ちたいと







「あ、流れ星?」

私は電車の外に目をやる。

「いやいや、まさか。こんな都会の空に流れ星など見えるはずないよね」

私はため息混じりに飛行機だろうと探すが、いない。

とても大きな光が見えたのだ。

見えたのだが…………

「見間違いか、もしかしてUFO?!」

私は自分の頭がおめでたく感じた。

「な、わけないか」

ブツブツと独り言を言いながら久しぶりに早く家へと帰る。

電車を降りて自宅へ向かう。

今日は金曜日。


自宅に帰り着き、風呂に入り買ったばかりの可愛い部屋着を着る。
気分だけでも楽しくなる。

お酒を飲んで、ご飯を食べて、のんびりテレビを見る。

別に寂しくなんてないんだからね!


面白いテレビも無いし、久しぶりにお酒も進んで眠たくなった。

私はベッドに入った。

この前帰りがけに一目惚れして買ったシーツにダイブ!!

この手触りが気に入って買ったんだよね!

スベスベとしていて暖かい。
大好きなシーツ。

今日、ようやくこれで眠れる!

私は嬉しくシーツに顔を押し付ける。

「ん?臭い……」

思わず声を出す。

お酒と自分の臭いではない人の臭いに不思議に顔をあげる。

「え?買ったばかりでしかもちゃんと洗ったのに臭い!何これ?ピーナッツ?」

私は手に当たった何かをつまみ上げて見る。

確かにピーナッツ。

居酒屋などで出るおつまみのピーナッツの様に見える。

「……?ピーナッツなんて買ってないし、そもそも私はベッドで食べない……」

不思議に思いながら顔をあげると思考が止まる。

「………………は?」

あれ?私、自分の部屋にいたよね?

何これ?何これ?

え?誰の部屋?!

明らかに私の部屋ではなかった。
灯りもなく薄暗いが、充満する強い酒の臭い。
それに、乱雑な男の部屋と言う感じだ。

「こ、ここ、どこ?」


ーーガチャリ


急に扉が開き、びくりと体が揺れる。

怖々振り返るとそこには赤い髪の男がドアを開けてこちらを見ている。

「え?あ、あの!」

私は驚いて声をあげる。

「誰だ?」

男は強く口を開くと扉を閉めた。
部屋の中には男と2人きり。

「え、えっと!」

何かを言わなくてはとも思うが、なかなか言葉が出て来ない。

私は気付いたらここにいたのだ。

「夜這いか?どっから入ってきた?」

私があからさまに怯えて困っているせいか、男は呆れた様に笑うと近付いて来た。

「え?夜這いとかではなく、私のベッドに潜り込んだらここにいて」

私が慌てて説明するが、男は私の手を取り…………。

「そう言う嘘は、もっとらしい嘘にしないとな」

ニヤリと笑う男の顔。
そして、その後ろには天井。

…………どうやら私はこの男に押し倒されたらしい。


「いや!あの!ごめっ」

私が謝ろうとすると、男は自分の唇を私の唇に押し付けて来た。

は?


「へ?っ!ん!」

間抜けにも声をあげた私の口の中に男の舌がぬめりと入ってきた。

「っ!!」

いやいやと頭を振って、何とか逃げようと試みる。

男は右手一本で押さえているのに、私は動く事もままならない。

おかしいだろう?何故?!


私は何とかじりじりと動いてベッドの端へと移動する。

「や!止めてっ!てば!」

私はがしがしと足で男を蹴るが、易々と動きを封じられる。

「何だよ、ずいぶん積極的だな」

男はニヤリと楽しそうに笑い、私の首を強く吸い上げ、痕を残す。

「もっ!!!」

私は思いきり蹴りを入れ、ベッドから落ちた。

「痛たたた」

頭から落ちて頭をさする。

あれ?声がしない。

おかしいなと思いながらキョロキョロと辺りを見回す。

「あ、あれ?」

ここは自分の部屋。
先程までいた別の部屋ではなかった。

恐る恐るベッドの上を覗き込むが、何もない。
ピーナッツすらない、私のベッドだ。

「え?今のは一体?もしかして、私って凄い欲求不満?」

私は不思議に思いながら、既に朝になっていたので、起き上がった。

「寝た気がしないな」

はぁと、ため息をついた。

「しかも、相手が赤髪のシャンクスとか、ラッキー」

私はくすりと自分の妄想を笑った。







しかし流しの前に立ち、自分をみた時に気付く。

「ん?あれ?首が赤くなって…………え?え?まさか!!」

私はそれに触って驚いた。

「…………こ、今夜も会えたりするのかな?」

私はぽつりと呟いていた。

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