幼馴染み終了
○○が朝起きると何故か幼馴染みのシャンクスが同じベッドで寝ていた。
「……お酒臭い」
○○はシャンクスをベッドから蹴落とした。
何事も無かった様に起き、朝食を作る。
「おはよー……」
それはそれはグロッキーなシャンクスにのっそりと現れた。
「おはよーじゃないわよ!何でシャンクスがうちにいるの?」
「今更だろ」
シャンクスは「頭痛ェ」と赤い髪をかいた。
「まったく、お酒くさぁああ!!!」
「お、柔らけェ」
シャンクスが○○の背後に立つと、後ろから手を回して胸を揉む。
「っ何するのよ!!」
バシッと手回し、シャンクスの手を退けた。
「良いじゃんか!減るもんじゃねェだろ」
シャンクスがわきわきと指を動かした。
「お酒臭いし!」
○○は自分を守るように両腕で自分を抱え込む。
「あー、ほら今日誕生日だからな。皆祝ってくれてさ!」
シャンクスはにかりと笑った。
「また、マキノさんに迷惑かけたんじゃないの?」
呆れた様にシャンクスを見た。
「いやいや、あの子は優しいからな」
「そりゃ、良かったじゃない」
○○は朝食作りを再開した。
「みんな俺がマキノさん(のお店)の事好きって知ってるからな」
「…………」
シャンクスの言葉に○○は衝撃を受けて止まった。
「○○?どうした?」
シャンクスは不思議そうに○○を覗き込む。
「へ、へぇ。シャンクスってやっぱりマキノさんの事好きだったんだ」
○○は慌てて声を出すが、体全部が心臓になった様にドクンドクンと嫌な音を立てた。
「だって、マキノさん(所の酒)うまいからな」
シャンクスは当然だと言わんばかりに言う。
「う、うまいんだ。あんな純情そうな顔して……」
○○はふるふると震える。
「なぁ、○○。今日は一緒に」
「帰って」
「は?」
「帰ってよ!」
○○は味噌汁に入れるために刻んだネギをシャンクスにかけた。
「な!勿体ねェ!」
シャンクスはあーあ、とネギを拾う。
「あんたやっぱり私を馬鹿にして喜んでたの?!」
「は?」
○○の怒声にシャンクスは驚いて○○を見上げる。
「そう言えば、最近麦わら帽子かぶってないわね。あんなに大切にしてたのに。どうせ私の事で賭けにでもしたんでしょ!!」
「○○?お前、なに言って……」
「はん!馬鹿な幼馴染みが落ちるかどうかかしら?賭けの内容は?!」
○○はシャンクスを睨み付けた。
「じゃああんたの勝ちじゃない!!?私はシャンクスとならって!!信じた私が馬鹿みたいじゃない!!」
○○の目からは涙が溢れていた。
「帰って!そんでもう二度と」
「○○」
「っ!!」
シャンクスは真剣な顔で○○の顔を両手で押さえた。
「それって、お前が俺の事好きって事か?」
シャンクスは静かに聞いた。
「うるさい!!」
○○の感情は高ぶったままだ。
「泣くほど俺が好きなんだな?」
シャンクスは強い力で押さえるので、○○は顔を背ける事も出来ずにいた。
「っ!!!そうよ!悪い?抱かれた時から心は持ってかれてるわ!でも、それすらも笑ってた」
「○○」
シャンクスはたまらず○○を抱き締めた。
「や!嫌!離して!あんたなんかマキノさんの所にでも行っちゃえ!!」
「そっか、これが嫉妬かぁ。可愛いな○○は」
バシバシと容赦なく叩く○○を嬉しそうに抱き締めるシャンクス。
「○○。何度も言うが俺はお前が好きだ。マキノさんは恋愛じゃなくて、酒な」
「なっ?!」
シャンクスの言葉に押し黙る○○。
「騙したの?!」
「勝手に勘違いしたんだろ」
「ぐっ!」
○○は泣きながら悔しそうにする。
「良かった!今まで生殺しだったからな!これで心置きなく抱けるな!」
シャンクスは嬉しそうににかりと笑った。
「…………」
「大切にするから」
シャンクスは○○を抱き締めた。
「わ、私も大切にする」
「ん?」
「シャンクスの事、好き」
○○は恥ずかしそうにそれだけ言って、抱き付いた。
「あァ!俺も好きだよ」
シャンクスはにこりと笑った。
幼馴染み終了「シャンクス」
「ん?」
「お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!これからは何があっても一緒だ!」
「なに言ってるの?」
「へ?」
「浮気したら別れる」
「き、肝に命じておく」
「宜しい」
***
happy birthday シャンクス!!
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[mokuji]
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