そんな君を囲んで

「本当にその外見でガリ勉とかキツいぜ」

ローは嫌そうにキッドを見る。
朝、教室に入ると見えるのは赤い髪がせっせと机に向かってる姿。

「うるせェ!!!」

キッドはローを見ずに参考書を見ている。

「おらー!!席につけ!!!」

担任であるシャンクスが入ってくる。
生徒たちはわらわらと自分の席へと座る。

「全員いるなー!」

シャンクスは出席簿を取り出す。

「エース君がまだ来てませーん」

女子生徒が手を挙げる。

「なんだ?遅刻か?」

シャンクスは面倒臭そうにペンで首の後ろをかく。


ーーダダダダダ、バターン!!


「セーフ!!!」

ガラリとドアを開けて入って来たのはエース。

「遅刻だ!」

シャンクスは素早く声を出す。

「んだよ!文句ならルフィに言え!!」

エースはシャンクスに噛みつく。

「お前と同じ家に住んでるサボは隣のクラスに居たぞ?」

シャンクスの言葉にエースは「ちっ」と舌打ちをする。

「あれだ、歩いてたら空から白熊が」

「ベポか?!」

エースの話に食い付いたのはロー。

「いや、名前までは知らねェよ」

エースは若干引き気味だ。

「なら、仕方が無い。ベポの可愛さは異常だ」

「お前のが異常だ!!糞ファルガー!!!」

キッドがローを睨む。

「あァン?ヤンのか?ユースタス屋」

ローも凶悪な顔で席を立つ。

「うるせェ!!お前ら!!!」

シャンクスの投げたチョークが2人の頭にクリーンヒットする。

「いてっ!!」

「っ!!!」

「アハハ、馬鹿だなあいつら」

エースが2人を見て鼻で笑う。

「お前もだ!あいつらは馬鹿でも遅刻じゃねェしな」

シャンクスはやれやれと呆れる。





「そう言やァ、今日の数学はテスト返しか」

エースがぽつりと呟く。

「なんだ?自信ねェのか?」

ふんと鼻を鳴らすキッド。

「あァ?!俺は数学は得意なんだよ!」

エースはキッドを睨み付ける。

「なら、一番点数が高かった奴に奢るってのはどうだ?」

ローがニヤリと笑った。

「お前と?」

嫌そうにエースはローを見る。

「なんだ?自信がねェのか?今回俺は自信がねェ。ひとつミスってるのは確実だ」

ローはニヤリと笑う。

「……後で泣きを見させてやる」

エースはニヤリと笑う。

「ハンッ!俺も負ける気がしねェぜ!!!」

キッドは笑った。







「何点だ?」

ローが2人に聞く。

「88!!!」

エースはニヤリと笑う。

「フンッ!!92!!!」

キッドがニヤリと凶悪な顔で笑う。

「ふふふ、俺は96だ」

ローが勝ち誇った様に笑った。

「っ!!!いや!俺は点数が高かった奴に奢ると言った!この3人じゃねェ!!!」

エースが叫ぶ。

「そうだ!!テメェに奢るくらいなら、他のガリ勉に奢る!!!」

キッドも叫ぶ。

「ハッ!!俺より上が居たらな」

ローがニヤリと笑った。

「おい!マルコ!!今回のテスト一番点数が高かった奴誰だよ?!」

エースが数学担当マルコに叫ぶ。

「うるせェよい。あー?一番?」

マルコは面倒臭そうに教室の逆側を振り返る。

「おい、□□」

マルコがとある女子生徒を呼ぶ。

「え?はい?」

○○がマルコを振り返る。

「お前、何点だっよい?」

「は?98ですけど……」

○○は恥ずかしそうに答える。

「だとよい」

マルコは3人を振り返る。

「……」

「……」

「……女子に負けた……」

ローがぽつりと呟いた。

「まァ、こんな変態に金使うより女が良いな」

キッドはローを見てニヤリと笑う。

「そりゃ、賛成だぜ!」

エースもにししと笑う。







「○○!!部活行くよ!!!」

「うん!!!」

放課後、○○が部活へ行こうと鞄を担ぐ。

「おい、□□!」

「は、はい?」

学年1の不良と名高いキッドが○○の背後に立つ。

「ミスド行くぞ!!」

これまた学年1の不良と名高いエースが○○の肩を組む。

「は?いや、私、部活に……」

「俺を待たせるな。行くぞ」

これまたこれまた学年1の不良と名高いローまでもが○○を囲む。

「え?いや!」

○○はおどおどと3人を見上げる。

「あ?こいつと同じ部活?こいつ今日休むって言っといて」

エースがニヤリと笑った。

「おら!とっとと行くぞ!!」

キッドが歩き出す。

「は?は?何で?!」

○○は困惑と恐怖で顔を赤くしたり青くしたりしている。

「お前が俺らより良い点取ったのが運のつき……だな」

ローがニヤリと笑った。

「っ!!!」

○○は蛇に睨まれた蛙よろしく、固まった。





そんな君を囲んで



「おい!○○!!!」

「なァ、○○!!」

「よう、○○」

(何か変な不良になつかれた!!)

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