02

「あの!私、貴方を飼います!」



○○はたまたま昔助けてくれたシャンクスに会え、お礼を口にした。
そうしたら、今度はシャンクスが今、仕事が大変だと苦笑いをした。

そして○○の言葉にシャンクスは唖然と口を開いた。

「え?あ!間違えました!私でお役に立てるのであれば何でも!!!」

「だっはっはっはっ!!!!!」

慌てて○○は言い直したが、それがかえってシャンクスの笑いのツボを刺激した。

「そうか、そうか!俺をな……。なら、飼ってもらうか!」

「…………え?」

シャンクスは楽しそうににかりと笑った。






「ここです」

「おう!」

○○は自宅アパートの鍵を開けてシャンクスを招き入れた。

「綺麗だな!」

シャンクスは楽しそうに足を踏み入れた。

「それとな、ご主人様」

「ご、ご主人様?!」

「敬語は止めてくれよ」

○○の驚く声を無視してシャンクスは楽しそうに声を出した。

「いや、でも……」

○○は困ったように眉を下げた。

「お前さんはペットに対して敬語を使うのか?」

シャンクスは譲れないと○○の目をじっと見つめた。

「……」

「ほら、言ってみろ」

シャンクスの顔がずいっと○○に近付く。近くでシャンクスの顔を見ると心臓が異様に速く脈打ち、顔に血が上り熱くなる。

「……しゃ、んくす」

「良くできました。ご主人様」

○○の反応に気を良くしたのか、シャンクスはにかりと笑うと○○の頭をくしゃりと撫でた。

「さーて、と」

シャンクスは部屋を軽く見渡してから、足元のホットカーペットの上へ寝転がった。

「んー!あー。眠ィ」

シャンクスは猫のように大きく伸びをすると右腕を枕がわりにし、目を閉じた。

「え?シャンクスさ……風邪引くよ?」

○○は慌てて言葉遣いを直すとシャンクスを心配そうに見る。

「俺は猫だ」

シャンクスは口許だけで笑うと、そのまま寝息をたて始めた。

「……寝ちゃった……」

○○は呆然とホットカーペットの上で寝始めてしまったシャンクスを見た。

「あっ!」

○○はパタパタとスリッパの音を立てて押し入れから毛布を取り出した。
ホットカーペットのスイッチを入れ、シャンクスに持ってきた毛布をかけた。

(……疲れてるんだ)

○○はそっとシャンクスの赤い髪に手を伸ばす。

(柔らかい……)

○○はシャンクスの近くに座り込むと猫を撫でる様に恐る恐るシャンクスの赤い髪を撫でた。

(本当に猫みたい)

○○は不思議な感覚を覚えながらシャンクスの頭を撫で続けていると、瞼が重くなってくる。

(眠い……)

気付いた時には遅く、○○もシャンクスと同じようにホットカーペットの上に倒れ込んだ。








貴方を飼います。








「んぐぐ?あ、寝ちまった」

シャンクスは大きく伸びをした。

「……どっちが猫だか……」

シャンクスはクスリと笑うと自分にかかっていた毛布を引っ張り○○にもかけた。

「お休み」

シャンクスはついていた明かりを消すと、再び目を閉じた。

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