06
「お、お風呂ありがとう」
ローが置いていったハーフパンツとティーシャツを着て○○は出てきた。
「…………」
ローはそれに眉間にシワを寄せた。
「え?あ!着ちゃダメだった?」
○○はローの不機嫌さに驚いてあわわと慌てた。
「っわ!」
腕を掴まれると、ローに引っ張られる様に奥の部屋へと連れていかれた。
「ちょ、ロー君!まっ!」
○○の制止の言葉を無視してローは○○を放った。
「きゃっ!べ、ベッド?」
ふかふかとする場所に落とされた。どうやら固めのベッドの様だ。
「あのね!」
○○の言葉を無視するようにローは○○に口付けた。
「ろ、っん」
いきなり深いそれに○○は流されそうになるのを必死に抵抗する。
「○○」
○○の名を呼ぶローの声にぞくりとする。
頭がぼーっとなり、心臓が跳ね上がり、下っ腹が脈打った。
ローの手がホックを外すと○○の胸の膨らみを直接触った。
「やー」
○○は半泣きでローの手を止めようとする。
「嫌と言う割りにはエロい顔だな」
ローはニヤリと笑いながら言葉を吐く。
「違っ!んん!!!」
ブラをたくし上げられ、舌が這いずった。
「解ってて来たんだろ?お前の望みだろ?」
ニヤリと笑うローの顔に○○は泣きそうになる。
「そ、そうだけど!ダメなの!」
「何故?」
「せ、生理だから!」
○○は恥ずかしさで死にそうになりながら叫んだ。
「…………」
ローは一瞬目を見開くしぐさをしてから、舌打ちをした。
「……風呂に入ってくる」
ローは○○から離れると立ち上がり、部屋から出ていった。
「…………こ、これは、出ていけパターンか……。あ……体だけの恋人って事かな?」
○○は泣きそうになりながらベッドの上で膝を抱えた。
程無くして他の部屋の明かりを消しながらローが近付いて来る気配がした。
「あの、ロー君」
「なんだ」
ローの低い声と表情のわからない顔に挫けそうになる。
「ご、ごめんね」
○○はしょぼんと落ち込んだ。
「……気にするな」
「へ?」
「女は1ヶ月に一度ある事だろう。仕方がない」
ローはどさりとベッドに腰を下ろすとペットボトルの水を飲んだ。
「え?……えーっと?」
○○はてっきり追い出されると覚悟していたのでおろおろと慌てる。予想していた辛辣な言葉も降っては来なかった。
「ほら、飲め」
ローは半分に減ったペットボトルの水を差し出した。
「なんだ?飲ませて欲しいのか?」
なかなか受け取ろうとしない○○にニヤリと笑った。
「い、いえいえ!滅相もない!」
○○はペットボトルを受け取り水を飲んだ。
間接キスだと思うとそれだけで照れてしまう。
「もう遅い。寝るぞ」
ローは言いながらベッドに入る。
「あ……の」
「なんだ」
「一緒に?」
○○はおろおろとするのをローは面白い玩具でも見る様に見た。
「当たり前だ」
「わっとと」
ローは○○の腰に手を回すとベッドの中へと入れ、後から抱き付く様に寝転んだ。
サイドテーブルに置いてあるリモコンで部屋の明かりを消すと、暗闇が訪れた。
(ロー君に告白したのが今日の昼間。初めて触れられたのは夕方。キスをしたのは夜。一緒に寝るのが今)
○○は背中にローを感じながら思い出していた。
「ね、ねぇ、ロー君」
「言っておくが、離せってのは無しだ」
「…………」
ローの声がすぐ近くで聞こえ、ドキドキと心臓が速くなる。
「で、でもね。これだとロー君の顔が見られないなー…………なんて……」
「…………」
今度は○○の言葉にローが固まる。
腰に絡み付いていた腕が少しだけ緩んだ。
「…………」
「自分が見たいって言ったんだ。固まるな」
間近で見る事になったローの顔に○○は緊張する。
「か、固まるよ。1年の時からずっと好きだったんだし」
○○が暗くても顔が赤い事がローには解った。
「そいつは、良かったな」
「…………うん。夢みたいだよ」
「確かめてやろうか?」
「へ?」
ローは○○の頬を摘まんだ。
「いひゃい、いひゃい!」
「なら、夢じゃねェな」
ローは面白そうに笑った。
「うぅ……痛かった」
○○は頬をつねられた擦った。
「寝るか」
ローは○○の首の下に自分の腕を入れた。
「……っ!腕枕!」
「……嬉しそうだな」
「女の子の憧れだもん!」
「……なら、○○は膝枕でもしろ」
「…………」
「なんだ」
「いや、ロー君でもそう言う事言うんだなって」
「……バラすぞ」
「こ、怖っ!!!」
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