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「くっ!」

ペンギンが竹棒で殴られ、宙を舞った。
部屋の外からは絶えず爆発音が響く。

「……」

スモーカーは歯を食い縛りながらヴェルゴを睨み付け、ローはペンギンを気にしつつ目の中に入りそうになった血を乱暴に拭いた。

「バラバラに戦ってたんじゃ、勝ち目はねェ」

ローがスモーカーとペンギンに聞こえる声を出す。

「なら、テメェが隙を作れ」

スモーカーは眉間にシワを寄せながら吐き捨てる。

「何言ってやがる。お前がやれ」

ローも眉間にシワを寄せながら不機嫌そうに声を出す。

「プッ」

2人のやり取りに思わずペンギンが吹き出した。

「「何だ」」

「……?」

ローとスモーカーは不機嫌そうにペンギンを見て、ヴェルゴは何があったのか?とペンギンを不思議そうに見た。

「いや、あんたら意外と良いコンビだなと」

ペンギンは笑った顔のまま声を出す。

「……」

「……」

嫌そうにちらりと互いに見るローとスモーカー。
その行動にペンギンはまた笑った。

「俺が隙を作る」

笑顔のままペンギンが言うとくるりとヴェルゴへと向いた。
ペンギンは気合いを入れるように深呼吸をすると腹に力を入れた。

「シャチじゃないが、俺だって彼女作らないで死ねるか!!!」

ペンギンが叫ぶとヴェルゴへと走り出す。
ペンギンの言葉に一瞬動きを止めたヴェルゴにペンギンが突っ込む。
ペンギンはヴェルゴの竹棒を狙い力任せに奪い取る。
ヴェルゴはアッサリと竹棒を手放すと間を開けずにペンギンを殴ろうと拳を作る。
ペンギンはとっさに体を転ばせてヴェルゴの拳を避けると床に這いつくばりそのままヴェルゴの背後へと回り込む。
ヴェルゴは当然とペンギンを追いかける。

「っ!!!」

ヴェルゴの後ろへスモーカーが回り込み、ペンギンに気を取られていたヴェルゴは素早くペンギンの顔面を殴るとそのまま拳の甲でスモーカーを殴る。

「待ってた」

スモーカーを殴り飛ばしたそこにはローが待ち構えていた。








「はい!これで良いわ。ただし、これから検査入院ですからね」

「はーい」

美人看護婦さんにきつめに言われ、シャチは嬉しそうに手を上げて頷いた。

「お姉さん、その前にトイレ!」

「良いわよ」

シャチは美人看護婦の許可を得ると病室を飛び出した。

「さて、○○はどこかな?」

シャチは急いで○○の姿を探した。

「うーん。卒業式は午後からだから早くしねェと間に合わねェよ」

シャチはロー達がドフラミンゴを倒していると信じると自分のするべき事を判断した。

「……ここか?」

シャチは静かに扉を開けようとしたが「何かあったらナースコールしてね」の言葉に慌てて身を隠した。

ナースが病室から出るのを確認するとシャチは静かに病室へと入った。

「○○ー?いるかー?」

声をかけると○○はシャチへと振り返る。

「シャチ様!大丈夫?!」

点滴に手を繋がれて顔色の悪い○○がシャチを心配するように声を出した。

「お!しっかり声出てるな!」

シャチは嬉しそうに笑うと○○に近付いた。

「毒とかはどうなんだ?」

シャチは少し心配そうに○○に話しかける。

「ん、大丈夫」

○○はつらそうに頷いた。しかし先程よりも意識も言葉もはっきりとしていた。

「なら、キャプテン迎えに行くぞ」

シャチは点滴の様子を見た。

「ロー!……うん!」

○○の力強い言葉にシャチは嬉しそうに笑うと点滴を○○の手から引き抜いた。





「ロー大丈夫かな?」

「キャプテンだから大丈夫に決まってるだろ!それにペンギンもスモやんもいる」

「?スモやん?」

「おう!警察の癖になんか頼りになる!」

「??警察は頼りになるでしょ?」

「あはは!そうだな!」

「???」

(俺達は警察の敵みたいなもんだもんな)

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