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「待ってくれ!○○には毒が!!解毒剤が必要なんだ!!」

突入してきた警官隊、救急隊に○○を取られ、シャチは慌てて後を追った。

「事態は一刻を争います!下がって……て!あんたもすごい怪我じゃないか!!」

救急隊員がシャチの体を見て驚いていた。綺麗だったスーツはボロボロに切り裂かれ、傷が多数見受けられる。

「はァ?!俺は!!おい!!離せ!!まだキャプテンが中に!!!」

「ほら!大人しくしないか!!」

「ふざけなァーーー!!!!」

シャチと○○を乗せた救急車は倉庫から急速に病院へと離れて行った。






「……おいおい、どうなってやがる?」

ドアを開いて現れたのはスモーカーだった。
彼の見た光景は血だらけのロー、先程まで消去された巨大犯罪組織の証拠を復元させたペンギン。


そしてーー


「何故あんたがここにいるんだ?ヴェルゴ警視正殿」

スモーカーはヴェルゴを油断なく見る。

「犯罪者を取り締まっているのだよ。スモーカー警部」

ヴェルゴは当たり前のように声を出した。

「取り締まる?これは明らかに過剰な行為だな」

スモーカーの眉間のシワが増えた。

「そうか?抵抗する犯人を捕まえる最高の手段だが?それとも犯罪者を庇うのかね?」

ヴェルゴは血で汚れた竹棒を軽く持ち上げた。

「……それに署長殿がわざわざこんな場所までな……」

スモーカーはゆっくりと腕を上げ、ある物を取り出した。

「これはこいつらが追っていた犯罪組織の証拠だ。一度消されたがそこのペンギンが復元させた。俺も見せてもらった。ヴェルゴ。あんたの事も書いてあった」

スモーカーはしっかりとした声を出した。自分の上司であったヴェルゴを睨み付ける。冷静な外見と反して目には激しい怒りが宿っていた。

「そんなもの、何の証拠になる?デジタル化されたものは証拠能力が薄いのでは?」

全く動じずにヴェルゴは首を傾げた。

「あァ。そうだな。これからゆっくり調べるさ」

スモーカーも動じずにどすの聞いた声を出す。

「ならば俺を捕まえるだなんて可笑しな事は考えない事だな」

「あァ。あんたの場合はこれまで優秀な上司だった経過から、任意同行で良い」

スモーカーは怯むことなくヴェルゴを睨み付ける。


ーードーーン


「何?」

「地震か?」

それまで静観していたローとペンギンが爆発音と振動に反応した。

「何だ?」

スモーカーはヴェルゴから目を離す事無く聞く。

「さあな」

ヴェルゴもスモーカーから目を離す事無く言う。

「御託はいい!!さっさと白状しろ!!お前は良い上司だったよ」

スモーカーは警棒を構えた。

「……そうか。では、目撃者をなくそう」

ヴェルゴの口許が初めて楽しそうに歪んだ時、再び外で爆発音が響いた。





「うわー……まさか爆発まで起こすとはなー。証拠隠滅か?」

エースはのんびりと倉庫内を歩いていた。外には警官隊。シャチと○○が救急車で運ばれる所も見た。

エースは爆発元へと足を向ける。大体無くしたい物がある所を爆発させるものだ。

「ふ、うふふふ!」

「……」

美しい女だったモネが狂ったように笑っていた。部屋に入ってきたエースにも気付かずに燃え盛る炎の前で笑っていた。

「……取引物じゃないのか?」

エースは燃え残っている袋を開け中身を見ると嫌そうに袋を投げ出した。

「うふふ、ジョーカーの不利になるものはこの世に残してはいけないのよ」

狂った笑いを閉じ込めるとモネは妖艶に微笑んだ。

「ジョーカー……ドフラミンゴはここには居ないんだろ?」

エースは厳しい視線をモネへと向ける。

「あら、勘が鋭いわね。えェ、そうよ」

モネはクスリと笑うと爆発物をエースの前の袋に投げ付けた。

「お前っ!!」

焦った声を出したがらエースが頭を抱えて飛ぶと、熱風と爆発音に吹き飛ばされた。

「……痛ェ……」

エースらはむくりと立ち上がると同じように吹き飛ばされたモネを見付ける。しかしエースとは違い、頭から血を流していた。

「チッ!ったく」

エースは汚れたスーツの上着を投げ捨てるとモネを荷物のように担いだ。

「……何よ、偽善者ぶらないで」

苦しそうに声を出しながらモネはエースを睨む。

「仕方ねェだろ。優子と結婚するのに死にそうな女を放っておけるか。それに、あいつならこうする」

エースは面倒臭そうにモネを担いだまま爆発が誘発される部屋を飛び出した。

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