28
「ペンギン!シャチ!お前らはジャンパールの所からあれを持って来い!!!」
ローは走りながら後ろから付いて来た2人に指示を飛ばす。
「キャプテン!俺も行く!!それにあれは今出す物か?!」
シャチが異論を唱える。
「奴を失脚させるなら今だ!これを逃したら俺達がどうなるかも解らねェ!」
ローはいつもより感情的になりながら叫んだ。
「でも!!」
「シャチ!」
なおも食い下がるシャチにペンギンが止めに入る。
「俺達はキャプテンに従う」
「そうしろ」
ペンギンの声にローが頷く。
「だが」
ペンギンは言いながら足を止めた。それに従いシャチもペンギンに並ぶ。
「あんたが危険な目に遭うなら、俺達はあんたを助ける為に自分の身は惜しまない」
ペンギンの強い意思が解る言葉にローが足を止め、振り返る。ローに向けてシャチも強く頷いた。
「……お前ら。…………俺にもしもの事があったら、お前らで○○とベポを」
「断る」
ローの言葉をペンギンが遮る。
「俺はあんなになら従う。それはあんたが生きてる時限定だ」
「そうだ!!俺はキャプテンだから付いて来んだ!!」
ペンギンの言葉にシャチも拳を挙げた。
「……」
「約束してくれ。俺達が戻るまで無茶はしないでくれ」
ペンギンは懇願する様にローを見た。
「…………」
「キャプテン!!」
ローがくるりとペンギンとシャチに背を向けた。シャチはそんなローの背中に叫んだ。
「俺はお前たちの事を信用している。…………今日は卒業祝いに焼肉何だろ?」
「キャプテン!!」
「もちろんキャプテンの奢りだろ?」
背を向けたままのローの言葉だが、シャチは喜び、ペンギンは笑った。
「ククク、俺はお前らと違って学生だ」
ローは笑いながら財布を出して見せ、そのまましまった。
「お前らが戻るまで持ちこたえる。……頼んだぞ」
「おう!!!」
「任せろ!」
ローの言葉を聞いてシャチとペンギンは自分の自転車で走り去った。
「おい!ロー!」
「ポートガス屋」
ようやく追い付いたエースがローを呼び止める。
「あいつらは?」
エースはシャチとペンギンの走り去った方をちらりと見る。
「あァ、ドフラミンゴを失脚させる資料や証拠を取りに行かせた」
ローは手短に説明する。
「そんなのがあるのか!」
エースは驚いてローを見る。
「あァ。抜かりはない」
ローは小さく頷いた。
「よし、なら俺達はその倉庫って奴だな。乗れ!行くぞ!」
エースはローにヘルメットを投げて寄越す。
「……」
ローは無言でヘルメットを被った。
「どっちだ?」
エースはバイクに跨がり、エンジンをかける。
「北だ」
「了解!」
ローがバイクの後ろに跨がるとエースはバイクを乱暴に走らせた。
「キャプテン大丈夫かな?」
「キャプテンが大丈夫って言ったんだ」
「……○○大丈夫かな?」
「…………目的はキャプテンだ。○○はきっと大丈夫だ」
「でもさ」
「エースもいるんだ。俺達は早くあれを取りに行くぞ!」
「だな!俺達信用されてるし!あ!俺ジャンパールに電話する!」
「そうだな、頼む」
「おう!」
(……○○、無事でいろよ。今キャプテンが行くからな)
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