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「じゃあ、好きな様に使って下さい」

全身をローの着ていた服に着替え、仕上げにローのトレードマークである帽子を被るとペンギンは玄関へと向かう。

「あァ。念の為シャチに連絡した。悪いがベポの事を頼む」

「解りました」

ペンギンは「それじゃあ」と言うと帽子を深くかぶり外に出た。

「これでひとまずは良い」

ローはホッと息を吐いた。

「……ロー、ペンギンは」

○○は閉まった玄関を見てからローへと振り返る。

「俺の代わりにマンションへ帰らした。ベポの世話もあるしな」

ローは立ち上がると勝手知ったるペンギンの部屋でコーヒーを淹れ始める。

「でも……大丈夫かな?その……怖い人なんでしょ?」

○○は不安になりながら声を出した。

「……手は打った」

ローは静かに口を開く。

「……でも」

「それともお前は俺じゃなく、ペンギンと2人の方が良いのか?」

○○の言葉を遮りながらコーヒー入りのカップを両手に持って不機嫌なままローはローテーブルまでやって来る。

「え?」

「何だ?お前はあいつの中ではペンギンの彼女になったんだ。それを俺が楽しく見てるとでも思ったのか?」

「…………」

ローの言葉を呆気に取られながら○○は聞いていた。驚きのまま固まった。

「何だ?」

「……いや、ローってば、可愛い」

○○は驚いたままの顔で呟いた。

「ほぅ、俺が焼き餅を妬くのがそんなに楽しいか?」

ローはニヤリとしたまま○○に近付く。

「え?ちょ!ロー?」

「そう言えばお預け喰らってたな」

「ちょっ!ここペンギンの部屋!!」

「燃えるだろ?他の男の臭いがして」

「なっ!!!それ、変態みたいです!!!」

「そうか」

焦る○○を押さえ込むとローはそのまま組み敷いた。






ローは眠る○○の髪を静かに撫でた。
これからどうするか?計画を実行に移すか、それともまだ時期ではないか?
彼女に興味を抱いていたら厄介だとローは深いため息をついた。

恩人の復讐の為にドフラミンゴを破滅させる。そう考えているローだが、ドフラミンゴは一筋縄では行かない。
前も呼び出されて行ったが居なく、代わりにローの部屋の中を滅茶滅茶にされた事があった。
全ては自分の気分次第。
ドフラミンゴはファミリーと呼ばれる仲間には優しいが、少しでも仁義を欠くと報復は恐ろしい。

「……お前は俺が」

ローは眠る○○に小さく声をかける。恩人の復讐、そして彼女だけは守る。


例え、自分がどうなろうとも。


ローは人知れずそう誓いを立てていた。







いつ、どう仕掛けるか、そう考えながらローは大学の校内を歩いていた。

「おい」

呼ばれて振り返るとそこにはエースが立っていた。

「……なんだ」

ローはエースから視線を反らした。

「最近忙しそうだな?裏で何してる」

「……お前には関係ない」

変な所で妙に勘が良い男だとローはエースを思っていた。

「そんなことはねェだろ!!!」

「……麦わら屋」

怒鳴ったのはエースの弟のルフィだった。

「なっ!お前!何しに来た!」

驚いたのはエースだった。エースはルフィに叫ぶ。

「やっと卒業式で結婚式だって騒いでたエースがなんか変だったからな!」

ルフィはどんっ!と腕を組んだ。

「…………ルフィも心配してるぞ、ロー」

エースは歩き出したローに声をかける。

「心配などいらない。お前らには関係ない」

ローは立ち止まらずに声を出す。

「ドフラミンゴ」

「……」

エースの言葉にローは歩みを止める。

「やっぱな。さっき、新聞読んでるお前から殺気が流れてた。記事見たらこいつだ」

エースはその新聞記事に目を通す。

「会社経営者。年商8億円。まァ、表向きの年商だろう」

「ねんしょう?」

ルフィが不思議そうにエースの持つ新聞に興味を持つ。

「……」

「裏じゃ密売、薬、脅し、恐喝…………叩けば埃だらけだろうな」

エースは面倒臭そうに新聞をルフィに渡す。ルフィは新聞を眺めるが1秒で新聞をゴミ箱へ投げ入れた。

「……何が言いたい」

ローはエースを睨み付けた。

「こいつには俺も貸しがあるって事だ」

エースはニヤリと笑った。

「…………」

ローは小さくため息をついた。

「同盟でも組めってのか?」

ローはエースとルフィを交互に見た。

「お前が望むなら、な」

「おう!同盟でも組んでやる!」

エースとルフィは同じようにニヤリと笑った。






「ところでどうめいってなんだ?」

「…………」

「…………兄ちゃんお前の将来が心配だよ」

「そうか!!」

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