初夢は君を想い
「ニナ」
「フリックさん…」
フリックが幼さを残すニナの体を柔らかいベッドに押し倒す。
「…良いのか?」
「うん…初めてはフリックさんとって決めてたから…」
赤くなった顔を背けながらニナははっきりと口にした。
「ふっ…お前…可愛いな」
柔らかい笑みを浮かべてフリックはニナの金色の髪を優しく撫でた。
「で、も、恥ずかしい…」
「ちゃんと、見せろよ」
「フリック…さん」
*****
「って、夢を見たの。しかも、フリックさん目線で」
ーーーゴンッ
○○の言葉を聞いてフリックは勢いよく頭をテーブルにぶつけた。
「お前は…なんちゅー夢を見てんだ!!」
「あ、しかも今年初めての夢だね」
「…初夢…」
フリックは力なく項垂れた。
「でも、夢って午前中に人に話すと正夢にならないって言うし」
○○は慌ててフォロー(?)する。
「……どうせなら…○○との夢が良かった」
「ん?何か言った?」
「何でもねーよ」
不思議そうな○○にフリックは呆れながら返した。
「フリックさぁぁぁぁぁぁん!!見っけ(ハート)」
「うぁぁ!に、ニナ!」
突然現れたニナに驚くフリック。
「新年からフリックさんに会えるなんて…嬉しい」
うっとりした目でフリックを見上げるニナ。
「っくそっ!またな○○!!」
「あっ!待ってよ!フリックさぁぁぁぁぁぁん!!」
二人が出て行き、静けさを取り戻す部屋。
「…やっぱりフリック、ニナちゃんと行っちゃった…。
私だって、ひがんじゃうよ」
○○はフリックが出て行ったドアに向かって一人呟いた。