お雑煮を食べながら
正月、初日の出はすでに高い位置にあった。
○○は忙しく台所に立っていた。
「よっし!完璧!!」
○○はおせち料理が並べられたテーブルを見て、満足気に呟いた。
「う〜飲み過ぎた…」
のっそりとビクトールが現れた。
「もー!またフリック達と!!しかも年越しまで!」
「お、うまそう」
ぷりぷりと怒る○○をサラリと無視して、ビクトールがおせちに手を伸ばす。
「ちょっ!まだダメ!」
ぱちんとビクトールの手を払う。
「痛ってー。何怒ってるんだよ」
ビクトールはさして痛くもない手を擦りながら口を尖らせる。
「何でって?!」
「なるほど!○○お前あれだ!ひめは」
「セクハラ!!」
ビクトールの言葉を真っ赤になりながら遮る。
「なんだよ、今さら恥ずかしがる事じゃないだろ」
ニヤニヤとビクトールは笑いながら席につく。
「あー!もう!お雑煮のお餅何個?」
「5個」
「5個?!」
手早く○○が餅を焼き、雑煮をビクトールへ差し出す。
「はい!いただきます」
「……○○」
「ん!栗きんとん美味しい。何?」
「愛してるぜ」
「ぐっっ!な、なに?突然」
「いやー、新年最初だし、な」
「……わ、私も」
真っ赤になりながら○○は答える。
「今年も宜しくね、ビクトール!」
「あぁ。宜しくな」