02

「キャッ!キャッ!!」

○○は子供広場で一人大きな柔らかい積み木に囲まれて喜んでいた。

「やっと出産準備かー。遅くねェか?」

シャンクスが自分の息子に積み木を投げながらベックマンに聞く。

「俺もそう思ったがな、仕事も忙しかったしな」

ベックマンは○○を見ながら火のつかないタバコをくわえていた。
3人はデパートにある子供広場で妻達を待っていた。

「確かにな。妊婦働かせるのもって思ったが、助かったのも事実だしな」

シャンクスはクスリと笑うと○○に柔らかいボールを投げる。
○○は座ったままボールを取ると口に持っていく。

「待て待て!噛むのはこっちだ」

シャンクスは○○に近付き、歯固めであるチョコのオモチャを渡した。

「ぶー!」

○○は機嫌良くチョコのオモチャを口に入れた。

「ぶはっ!ベックと一緒だな」

シャンクスは○○の様子に笑いながら頭を撫でた。

「クク、しかしあんたがこんな父親っぽい事が出来るとはな」

ベックマンが小さく笑いながら親子の様子を見る。

「確かにな!ま、すぐにお前もそうなるだろ?」

シャンクスはニヤリと笑うと息子を抱き上げた。

「予行練習しとくか?」

シャンクスが○○をベックマンに差し出す。

「……」

ベックマンはゆっくりと手を伸ばし○○を抱き上げる。

「だー!」

○○は人見知りする事なくベックマンをじっと見る。

「顔は怖ェけど、良い奴だぞー」

シャンクスはニヤニヤと○○に話しかける。

「タバコは止めておけ」

ベックマンはくわえていたタバコを無造作にポケットへ突っ込んだ。

「っつっても良く会うから大丈夫か。抱くのは初めてか?」

シャンクスはベックマンを見ながら聞く。

「あァ、よじ登られた事はあるがな」

ベックマンは○○を更に高くあげた。

「キャッ!キャッ!!」

○○は高く上げられて大喜びだ。

「高い高いさ、こいつが小さい時にやったら泣かれた」

シャンクスは思い出したように苦笑した。

「怖かったのか?」

ベックマンは不思議そうに○○に聞いた。○○は楽しそうに笑うだけだ。

「たぶんなー」

シャンクスはベックマンから○○を受け取りながら頷いた。





「ただいまー」

「お待たせしました」

瑠奈と素子がデパートの子供広場でまで荷物を持ってやって来た。

「お疲れー」

「良いのは買えたか?」

シャンクスとベックマンが2人を迎え入れる。

「だー!」

○○が興奮気味に母親である瑠奈へと手を伸ばす。

「○○!良い子にしてたー?」

瑠奈は嬉しそうに我が子を抱いた。

「で?これからどうする?」

ベックマンとシャンクスが荷物を持つ。

「素子は誘ったんだけど、夕飯家で食べない?久し振りにみんな休みなんだし!」

瑠奈は○○を抱いたままシャンクスとベックマンに提案する。

「良いじゃねェか!」

シャンクスは笑顔で頷いた。

「そうして貰えると助かる」

ベックマンも頷いた。

「じゃあ、材料は家にあるから帰ろうか。素子も○○も疲れたでしょ?」

瑠奈は気遣う様に素子を見た。

「……正直、少し」

素子は少し申し訳なさそうに頷いた。

「じゃあ、行くか」

シャンクスの言葉に従い、各々荷物を持つと駐車場へと歩き出した。

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