03

マルコは腰までを熱い温泉につけていた。

「はァ……」

こんなに嫌われているとは……。マルコは自分が思っている以上にショックを受けている事に気付いた。
能力者特有の脱力感に襲われながらも考えるのは○○の事。
今までは好かれている自信さえあったが、この非常事態に対しても○○は頑なに自分に肌を見せる事を拒んだ。

「そろそろ解放してやるかねい」

マルコは空をあおいだ。岸壁が目に入った。初めて出会ったのも確かこの様な場所だった。
ガキがいるのかと思ったら、まさか自分が惚れるとも思っていなかった。
気付いたら船に拐うように乗せていた。

マルコは元の島への行き方を頭の中で思い浮かべた。能力を使えば簡単にとは行かなくても送り届ける事は可能なはずだ。

マルコはそっと目を閉じた。

「っと」

「こっち向かないで」

突然背中に重みを感じると○○の声が耳元でした。








「どうしたー?気にしなくても良いぞ」

シャンクスはなるべく軽く声を出す。

「何を?」

シロは恥ずかしさを押し殺して声を出す。

「嫌な事を無理矢理しようとして悪かった。もう、しねェからさ。ちゃんと元いた島まで送るな」

シャンクスはバシャリと片手でお湯をすくい顔を洗う。

「……ねぇ」

「ん?」

「私の事もう嫌いになった?」

シロはシャンクスの言葉に不安を煽られた。

「んー?そうだなー。そんな事もねェけど、一応俺も男だしな。我慢するのも苦手でな」

シャンクスはのらりくらりと言葉を重ねる。

「……ごめん」

「だから、気にすんな」

シャンクスはクスクスと笑いながら髪をかきあげた。

「違う。シャンクスは悪くない!それに私はシャンクスが好きなの!」

「……」

シロの言葉に驚いて振り返ると真っ赤な顔をした一糸纏わぬシロの姿があった。
大きな傷でもあって、脱ぎたくないのかと思ったがそうではなく、綺麗な肌だった。

「み、見てわかると思うけど、その……私胸が小さいの。本当にコンプレックスで、馬鹿にされるのが悔しいの。負けず嫌いなのかな」

シロは恥ずかしさのあまり早口で捲し立てた。

「だから、シャンクスに幻滅されるのが嫌でどうしても……。シャンクスが嫌いなんて事ないし、むしろシャンクスが好きで好きで仕方ないの!!だから…………」

シロがそう捲し立てているとシャンクスが真剣な顔でシロを抱き締めた。

「そんな事、俺が気にする訳ないだろ?」

「しゃ、」

「それに綺麗だ。ちゃんと見せてくれ、な?」

シャンクスはシロを少し離した。







「ま、マルコ」

○○は顔を真っ赤にしたままマルコを見る。

「○○、お前は良い女だ。もっと自信を持てよい」

マルコはニヤリと笑うと○○に口付けた。初めは触れるだけのそれだったが、次第に深くなる。

「ん、……はっ、まる、こ……」

○○の甘い声がマルコを反応させる。

マルコはざぱんっと温泉から出る。○○を横抱きにするとそのまま焚き火の方へと移動する。

「マルコ?」

マルコは服を持ち、適当に○○に巻き付ける。

「ここじゃさすがに嫌だろい?」

マルコは優しく○○に聞く。

「わ、私はマルコがいればどこでも……」

「っ!!?!」

真っ赤な顔を軽く伏せて言う# #NAME2##の言葉にマルコはクラリとする。
すぐに不死鳥の姿になる。

「安心しろ。待たせはしねェよい」

マルコはそれだけ言うと高く飛び、誰もいない所へと2人で降り立った。







コンプレックスを吹き飛ばせ!







「お頭が機嫌が良いのは良いけどさ……」

「ちょっとウザ過ぎるよな……」

赤髪海賊団はいつも元気です。



「……マルコ隊長ってさ、もっとクールかと思ったのにね!」

「良いじゃない!好きな女だけにデレッとするの!」

「確かに!カッコイイわよねー!マルコ隊長!!」

「……あの、取らないで下さいね」

「うふふー!頑張らないとね!○○!!」

「っ?!……はい」

白ひげ海賊団、看護婦たちも元気です。

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