18
マルコと○○はソファーに離れて座る。
「……で?マルコさんも私を見てた?」
○○は改めて声を出した。
「…………あァ」
マルコは無表情で頷いた。
「それは、異性として気になる。と言う意味で?」
「…………あァ」
「どうして、声をかけてくれなかったんですか?」
「…………」
○○の言葉にマルコは言い淀む。
「…………こんなオッサンが話しかけても嫌だろい?」
マルコは小さく呟いた。
「そんな事!…………いつから?」
「…………」
「マルコさん?」
「…………初めて認識したのは、○○がまだ高校生の時」
「へ?」
マルコの言葉に○○は始め、何を言われたのか分からなかったが、解ると心底驚いた。
「こ、高校生っ!!10年は前じゃないですか!!」
○○は驚きに声を荒げた。
「…………そうだよい」
マルコは観念した様に頷いた。
そして、ぽそぽそと説明し始めた。
「…………」
○○はあまりにも長い自分への片想いを不思議な気分で聞いていた。
「気持ち、悪ィよな?」
マルコはふぅと大きく息を吐き出した。
「…………いえ」
○○は微妙な顔のまま声を出す。
「無理しなくて良いよい」
マルコは自傷気味に笑う。
「いえ!そう言う訳じゃなくて……」
○○は困った様に笑った。
「あの、ちょっとびっくりはしたんですけど、ちょっと嬉しいです」
○○は笑った。
「嬉しい?」
マルコは意外な言葉に○○を振り返る。
「あ、いや。今となれば私はマルコさんが好きな訳ですし。確かに高校生の時に言われてもピンと来なかったかも知れないですね。なら、マルコさんは時期を見たと思えます」
○○は照れながら笑った。
「…………」
「私、おかしいですか?」
「…………少し」
「クスクス、ヒドイ!」
「…………悪ィよい」
○○につられるようにマルコは口許に笑みを浮かべた。
「だから、その、私の事好きですか?」
「……あァ」
「良かった!私もっ、」
○○はマルコに抱き締められたので、それ以上言葉を続けられなかった。
「好きだ」
マルコはソファーの上でギュッと○○を抱き締めたまま耳元で言う。
「はい。…………初めて言ってくれましたね!」
○○はマルコをそっと抱き返した。
「悪かったよい。それすら、罪になりそうで」
「マルコさん」
○○はクスクスと笑った。
「ありがとう、○○」
マルコはゆっくり○○に口付けた。
「マルコさん」
「……」
「マルコさん?」
「……」
「真っ赤ですよ?」
「…………よい」
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