10
仕事の仲間達と飲み会をしている。
昨日、泣かせてしまったが、今日もちゃんと飯を作ってくれるはずだったのに、とマルコは少し不機嫌だった。
「あ?あれ、赤髪じゃねーか?」
サッチの言葉に入り口をチラリと見ると確かに赤髪が入ってきた。
「あれは、エースの弟に見えるな」
イゾウの言葉通り、エースの弟のルフィも一緒にいる。
後ろには嫁ではない美女2人と
「あれ?○○ちゃんじゃん」
サッチの言う通り、一番後ろには遠慮がちに入る○○の姿。
目で追うと、○○は赤髪の隣に腰を下ろした。
少しすると2人は話し合っている。
マルコはおもむろに立ち上がる。
「あれ?マルコ?」
サッチの不思議そうに声をマルコは背中で聞いた。
2人の会話が聞こえてくる。
「時期を見て、□□さんが相手ならもう一度考えても良い」
「ほ、本当ですか?」
「あァ、その代わり、あのネズミが関わらなければな」
「…………ありがとうございます」
「残念だけど、その必要はねェよい」
不機嫌さを隠す事なく低い声でマルコは2人の会話に入り込む。
「え?」
○○はマルコの姿にあんぐりと口を開いて見上げる。
「おっ!マルコじゃねーか?!うちに来ないか?」
「うるせェよい!!!」
いつものお決まりの言葉にシャンクスはケラケラと笑う。
「来い」
「え?あ!?」
マルコは○○の手を掴むとさっさと店を後にする。
○○が振り返ると楽しそうに笑うとロビンとシャンクスの顔があった。
「ちょっ?!マルコさん?!」
○○は引っ張られる様にして早足でマルコに着いていく。
「……」
マルコは無言のまま長い足を動かす。
仕方なく、○○はマルコの後ろを必死で追いかけた。
連れてこられたのはマルコのマンション。
玄関に放り込まれると、そのまま壁に押さえ込まれる。
「仕事の契約が取れればどんな男にも尻尾を振るのかい?」
マルコは睨み付ける様に○○を見る。
「…………あの、同僚も、いましたよ?」
怖いが、何とか口を開く。
「…………何であいつと一緒にいたんだよい」
「居酒屋の前で、私以外が知り合いでした」
○○はマルコの目を見たまま答える。
「偶然?」
「たまたま」
「……」
「……」
「……」
「……疑うのなら、マルコさんの好きにして良いですよ」
○○はぽつりと呟く。
「仕事の為かい?」
「…………自分の為」
○○は思考が酒のせいで付いて行かないなと考えた。
「私、マルコさんの事信じて良いんでしょうか?」
「……あァ」
マルコが真剣な顔で頷いた。
「私、マルコさんの事好きになって良いんでしょうか?」
○○はじっとマルコの目を見る。
「…………あァ」
マルコは頷くと○○に口付ける。
互いが互いを求める様に、舌を絡め、酸素を奪い合い、貪る様に口付ける。
「あっんん」
「はっ、また朝になったら忘れちまうのかよい?」
マルコは切なそうに眉間にシワを寄せた。
「……今日はそんなに飲んでないから、それは無理な話かも」
○○は潤んだ瞳で妖艶に笑った。
「そうかい」
マルコは軽く唇を重ねてから○○を横抱きにした。
「今日は帰せないよい」
「うん」
マルコは○○をベッドルームまで運ぶ。
マルコはベッドに○○を押し倒すと、再び口付ける。
「ん……は、マルコ……さん」
○○はマルコの首に腕を巻き付ける。
マルコはゆっくりと○○の体に手を這わす。
(何だろう……気持ち良い)
○○はマルコに触られた箇所がまるで熱を持ったみたいに熱くなる。
そして、腹の下辺りが疼くのを感じる。
○○はあまり喋らないマルコに翻弄される。
「……大丈夫かい?」
「んっ、気持ち、良いです」
「そうかよい」
「はっ、もっと……」
「…………」
(声だけでイキそうだよい)
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