09
「…………」
○○は一心不乱にパソコンのキーボードを叩く。
「……○○何かあったの?」
ロビンが財布を片手に言う。
「……」
「○○?」
「……はっ!!」
○○は肩を叩かれ気付いた。
「ど、どうしたの?」
「どうしたの?って、ランチ行きましょう」
ロビンは笑った。
「え?あ!」
○○は慌てて保存するとお弁当を持って、ロビンとハンコックの後に続いた。
「そう言う事」
ロビンは妖艶な笑みを浮かべた。
「なんじゃ、好きおうてるなら、素直になるのじゃ!」
ハンコックまでもが力強く言う。
「…………」
○○は考えながらサンドウィッチを食べる。
「○○。たまには恋に溺れてみたら?」
「……また裏切られたら?」
○○は泣きそうな顔をする。
「そしたらまた立ち直る。そして、素敵な女性になるのよ」
ロビンはにこりと笑った。
「ロビン…………」
「嫌じゃ無かったんでしょ?キス」
「うん」
「なら、もう諦めなさい」
ロビンがキッパリと言う。
「そうじゃ!恋はいつもハリケーンじゃ!」
ハンコックもキッパリと言う。
「……そうかな?そうだね」
○○は本当にマルコが好きか、確かめようと心に決めた。
昨日は泣いて出て来てしまった為、少し躊躇いはあるが、時間を置いてしまうと余計に行きずらくなるので、マルコに「今日は何時頃良いですか?」とメールをした。
「今日は仲間と食べる」
それだけ返ってきた。
「ロビーン!ハンコックー!一緒にご飯食べよう!」
○○は寂しい様に泣き叫ぶ。
「そうね、たまには夕飯も食べて帰りましょう。明日はお休みだしね」
ロビンはにこりと笑った。
「わらわも付き合ってやろう」
ハンコックも美しい笑顔で頷いた。
「どこにしようか?」
○○が2人に訪ねる。
「そうね」
「ルフィ!!!」
急にハンコックがピンクモードに入った。
「なんだ!おめェハンコックじゃねェか!!!」
ルフィと呼ばれた少年がにししと笑った。
「っ!こ、高校生!」
○○は制服姿の少年を見て驚きに目を見開いた。
「あら、やっぱりルフィって貴方なのね」
ロビンも知り合いの様で、にこりと笑って近付いた。
「あー!!ロビンだ!2人共知り合いか?」
ルフィは2人を見る。
「ええ、同僚なの」
ロビンが答える。
「何故おぬしがルフィを知っているのじゃ?」
ハンコックが不機嫌そうにロビンを見る。
「ふふ、仲間だもの」
「おう!」
ロビンの言葉にルフィが頷く。
「おーい!ルフィ。誰だ?この美人さん達は」
赤い髪のシャンクスがルフィを追いかける様に表れた。
「あ!シャンクス!こいつら友達だ!」
ルフィがにししと笑う。
「そうだったのが。いつもこいつが世話になってるな」
シャンクスがにかりと笑う。
「そんな、わらわは」
ハンコックがふふふとルフィに笑う。
「ええ」
ロビンはにこりと笑った。
「お前らも飯か?」
ルフィが2人に聞く。
「ええ、皆で」
ロビンがにこりと笑う。
「なら!一緒に食おう!」
ルフィが提案する。
「賛成じゃ」
ハンコックは嬉しそうに笑った。
「なら、そこの店で良いか」
シャンクスが指をさす。
「ええ。○○」
ロビンが少し離れた所で見ていた○○を呼ぶ。
「……いや、私は……」
いくら、仕事とは関係無いと言っても、取引に失敗した相手と食事をするのは、と躊躇する。
「おぉ!□□さんじゃねーか!行くぞ」
シャンクスはにかりと気にせずに居酒屋に入る。
すでに、ビールや食べ物でテーブルはいっぱいになっていた。
「あの、今日は奥様は?」
○○は隣のシャンクスにおずおずと聞く。
「あァ、何でも、友達と旅行だと」
シャンクスは寂しそうに笑った。
「すみませんでした」
「ん?」
「上司が勝手な事ばかり言って」
○○が申し訳なさそうに言う。
「あはは、こっちこそ、契約出来なくて悪かったな」
シャンクスは苦笑する。
「いえ。そんな事より、シャンクスさん達、皆様が嫌な思いをしていないかと、それだけが心残りでした」
○○はため息をつきかける。
「いや、お前も大変だな。ああ言う上司は」
シャンクスはお疲れさんとビールをつぐ。
「いえ………………まぁ、はい」
○○は困った様に頷いた。
「時期を見て、□□さんが相手ならもう一度考えても良い」
シャンクスは真面目な顔で言う。
「ほ、本当ですか?」
○○は思いがけな言葉を聞く。
「あァ、その代わり、あのネズミが関わらなければな」
ニヤリとシャンクスは笑った。
「…………ありがとうございます」
○○は柔らかく笑った。
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