裏側
「今から○○と言う店を買い取れ」
突然の社長命令に呆れるベックマン。
「そこは確かあいつらの同窓会でやる店だな」
ベックマンは紫煙を吐き出しながら言う。
「そうだ!その日1日だけでも良い!」
シャンクスは強く言葉を出した。
「…………」
ベックマンは無言で紫煙を吐き出す。
「お前も心配だろ?素子さん」
「……」
「他の男になびかないだろうが、他の男がどうするかなんか分からないだろ?」
シャンクスが真剣な顔でベックマンに言う。
「…………そうだな」
ベックマンはぴくりと顔の筋肉が動く。
「だろ?俺は子供を見てなきゃいけない。他の奴に頼むのも可哀想だしな」
シャンクスはにやりと笑う。
「そうだな。なら、やるなら徹底的にやるか」
ベックマンは身を乗り出すとペンを手に取った。
そして、同窓会当日。
「一番、異常なし!」
「二番!異常なし!」
「三番も異常なしです」
無線を通じて自宅待機するシャンクスの元に店の中の様子が伝えられる。
「よし、カメラを入れろ」
ベックマンの声に合わせて何台もあるテレビには店内の様子が写し出される。
「写ってますか?」
相手から声がする。
「おー!良く写ってる!お?そろそろ来るか?
」
シャンクスの言葉に合わせて扉が開く。
「おーおー、凄い人気だな」
シャンクスが静まり返る店内の様子をにやりと笑う。
「……そうだな」
ベックマンは静かに紫煙を吐き出した。
「……女にモテるんだなー、蓮」
シャンクスはぽーっとテレビ画面を見る。
「素子はやっぱり男にモテるんだな!」
「…………」
シャンクスの言葉にベックマンは目を細めた。
煙草が灰になるスピードが速い。
「だっはっはっ!ベックの嫉妬おもしれー!」
「ギャーギャー!」
シャンクスの大きな声に子供が泣き出した。
「おっと、悪ィ、悪ィ」
シャンクスは部屋を離れると子供をあやしに行く。
「……」
ベックマンは素子の隣に座った男や声をかける男をチェックした。
「幸せ……ねェ」
シャンクスは寝静まった子供をそっと下ろし、再び監視をしていた。
「なんだ?お頭。幸せじゃねェのかい?」
ベックマンは新しい煙草に火をつけた。
「俺が?もちろん、これが幸せなんだろうなって、蓮が笑ってるだけでそう思えるさ」
シャンクスはにかりと笑った。
「そうか」
ベックマンは同意をしながら紫煙を吐き出した。
幸せの時間、同窓会の時間「さて、そろそろ迎えに行くか」
「宜しくな、ベック」
「お前は息子の面倒をちゃんと見てろ」
「あァ、そうする」
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